実録 刑事課長の事件簿

橘哲雄(著者)

• 販売会社／発売会社: 彩図社
• 発売年月日: 2019/02/16
• JAN: 9784801303560

商品レビュー

2020/03/20

警察小説が、好きである。

テレビのように、実際は、違う事が多いと聞く。
実録では、どうなのだろうか？と、、、思っていたら、この本を見つけてしまった。

元刑事課長・警視　橘哲雄氏の人情味あふれる話が、書かれている。
「御遺体の引き取り」65歳の独身男性の死亡で、身内親族が、引き取り拒否の中、甥夫婦が、世話になったこともあるからと、遺骨を受け取り、遺品整理していたら、800万円を見つけてしまった。
その時点で、甥夫婦もネコババもせずに、刑事課へ報告。
そして、又、作者も、そんな夫婦に優しい。
独り言として、、、、叔父の遺骨の荼毘、そして遺品整理代にしては・・・と、やんわりと、付ける所、凄い判断力と！

交番勤務員の『ゴンゾウ』が、盗難の証拠品に受付札を示して、検挙に一口加われると、思っていたのを、ぎゃふんと、言わせるところも、痛快！

しかし、結果良ければ、上司が、自分の手柄にしたり・・・
結果が悪いと、部下の者の責任にする・・・少しブラックの面もある。

証人出廷で、作者が、事件と関係ないのに、警察学校の史跡迄、質問される。
誰も、突っ込んで、質問を却下してくれない。
沈黙をすると、悪いように捉えられてしまう。
優秀賞と、高成績でなかったら、どのような目で見られるのか？と、思ってしまった。

作者が、能ある鷹の如く、自慢をひけらさないで、弁護士や裁判官の口を塞がしたのには、ふふふと、笑ってしまった。

「上司の器」で、報告事項の返答の言葉で、器の大きさが、よくわかりました。

日々の中の職務の『川柳」、読んでいると、日本の安全と平和の為に、ご苦労様です！！！と、感謝を述べたい気持ちになりました。

敵方と思われる検事から刑事課長へ選別を渡して貰った作者の人柄にも、好感を持てました。