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大学英語教育の質的転換 「学ぶ」場から「使う」場へ
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大学英語教育の質的転換 「学ぶ」場から「使う」場へ

佐藤響子(編者), カール・マクガリー(編者), 加藤千博(編者)

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大学英語教育の質的転換 「学ぶ」場から「使う」場へ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 春風社
発売年月日 2019/02/11
JAN 9784861106187

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大学英語教育の質的転換

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2020/02/02

 近年英語教育改革が注目されているが、その注目はもっぱら「中等教育」に注がれていて、「大学教育」には全くと言っていいほど関心が集まっていない。大学生の英語力が最も高い時期と低い時期はいつか。正確なデータをとっていないため、あくまで主観だが、おそらく最も高い時期は大学入学時、最も低...

 近年英語教育改革が注目されているが、その注目はもっぱら「中等教育」に注がれていて、「大学教育」には全くと言っていいほど関心が集まっていない。大学生の英語力が最も高い時期と低い時期はいつか。正確なデータをとっていないため、あくまで主観だが、おそらく最も高い時期は大学入学時、最も低い時期は大学卒業時ではないだろうか。大学入試の改革があれほどにまで叫ばれているのに対し、入学後の教育について全く議論されないのは明らかにおかしい。  本書は横浜市立大学での英語教育の実践をもとに、さまざまな教授法・学習法を提示している。今回は、最近導入され始めているeラーニングの箇所を見てみよう。 <通常の授業だけでは学習量が不足するため、それを補うために週に90分程度のeラーニングによる学習を行うことが義務付けられている。しかしながら、教員による管理が十分でなかったため、2016年度までは学習が学生の自主性に任せられていた。結果、指定された通りにeラーニングの課題を実施する学生は少なく、一度もアクセスしたこともない学生が大半であった。(中略)しかしながら学術情報センターによる協力によって受講者の進捗状況の管理が可能となった現在、eラーニングによる学習が出席要件の一部となり必修科されている。>(53頁)  学生の学習習慣を育むには教員の介入が不可欠である。とはいえ、教員も暇ではない。自身の研究と両立させつつ学生の指導をすることは困難だ。そのため、外部の協力、もしくは業務の効率化が必要だ。本書では、学術情報センターによる外部からの協力を得て、改善をはかっている。  しかし、外部の協力を得る、もしくは、eラーニングを用いて業務の効率化をしたところで、学生の内発的動機の向上に直接的には貢献しない。どちらも「やらせ」だからだ。特に「出席要件の一部とし必修科する」のは、確かに学生の実施率は高まるだろうが、個人の生涯学習促進にはつながらない。  そのため、すべての学生を対象にするのではなく、まずフィルタリングをするべきではないか。語学の習得には(「習得」の定義についてはここではふれないこととする)内発的動機付けが不可欠だ。自分で学ぶ意思がなければ、いくら教員が介入しても、成功するのはむつかしい。限りある教員の労力を価値ある学生に教授するためにも、一種のふるい分けが必要だと考える。

Posted by ブクログ

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