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四つ子ぐらし(2) 三つ子探偵、一花ちゃんを追う! 角川つばさ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2019/02/15 |
JAN | 9784046318411 |
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四つ子ぐらし(2)
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商品レビュー
3.9
12件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「四つ子」設定を生かした姉の尾行プロットが面白かった。途中から三手に分かれてそれぞれが一花と顔を間違えられて色々ある。 本巻の主題は一花の「ほんとうのわたし」を問うことだと考えると、その過程で四つ子であること(交換可能性)を利用しまくっているのはある意味皮肉でおもしろい。 最後の一花の本音の吐露には号泣した。 またその前の、大切な人の入院でナイーブになり、これから自分たち子どもだけで生きていけるだろうかと一花が悩むくだりは、あまりに切実で胸が痛んだ。これが「自立」を求めるネオリベラリズム社会の末路か……と。 もはや子どもを抑圧したり敵対したりする「大人」すらほとんどいなくなり、13歳の子どもが、まるで20歳の大人のように自らの将来を不安視して苦悩する、そのさまが児童文学でアクチュアリティをもって描かれる社会…… 子どもが大人に隠れて自分たちだけで「自立」したいと願うのは良いし、児童文学はそうした子どもの願いを形にするツールのひとつであるべきだ。 でも、まだ義務教育も終わっていない年齢の子どもに「自立 “しなきゃいけない”」と悩ませて人生の行く末を不安がるさまを児童文学でこのようにあたかも一般的な子供の苦悩のように描くことが自然なものだとされるのは、違うだろ…… この作品が悪いのではなく、ここ二十年ほどで本当に社会の底が抜けているんだなぁと感じてしまい、たいへんつらく、これからを生きる子どもたちに申し訳ない。 なんでアラサーの自分らが抱くような切実な悩みを12歳が抱いてしまっているんだよ。 つまり、従来の児童文学ならば、いくら子どもが「自立」することを願ってそれを実現するさまを描いていても、あくまで大人は子どもを庇護する責任を放棄しておらず、だからこそ子どもから鬱陶しがられて反発される役回りに徹していた。そうすべきだ。子どもが大人の庇護を抑圧と見做して反抗するのはあるべき姿だろう。 でも、本作では親も親に代わる児童養護施設も「国」も大人は皆、はなから自分たちの庇護責任を放り出して、子どもに「自立」を押し付けているので、子どもは「自立しなきゃこのさき生きていけない」と悩むことになっている。 そうしたシチュエーションを前提にしているので、いくら四つ子姉妹の尊い姉妹百合の日常が繰り広げられて「私たち子どもだけで生活するのって、大変だけど、楽しい!」と前向きに幸福に描かれていても、それをそのまま良いものとして受け取ることに躊躇いが生じてしまう。 大人が子どもに全力で向き合って、ちゃんと嫌われることの大切さ。 関わりを絶って嫌われることすらせずに、子ども自身に将来の不安を抱かせてしまう大人や社会はクソだ。 子どもたちよどうか、ちゃんと自立できるだろうかとか、社会でやっていけるだろうかとか、そういうことで悩まないでほしい。親や教師や周りの大人たちほんとうぜぇ〜とか、そういうことで悩んでいてほしい(というのも嫌な押し付けだが……)。 子どもにとって「自立」は憧れや夢であっても重くのしかかる”現実”ではあってほしくない。 その意味では、終盤に再登場する自称母親は、明確な「悪役」であるだけまだマシかもしれない。いや、アイツもクソだが……
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▼娘付き合い読書。シリーズ2作目。孤児として施設で育ってきたヒロインは、中一になるときに自分が四つ子のひとりだったと知り、その四人で共同生活を始める。 ▼主人公は四人のうちの第三女。この第2作は、しっかりもので優等生キャラの長女のこれまでの生い立ち背景が描かれます。なにしろ四つ...
▼娘付き合い読書。シリーズ2作目。孤児として施設で育ってきたヒロインは、中一になるときに自分が四つ子のひとりだったと知り、その四人で共同生活を始める。 ▼主人公は四人のうちの第三女。この第2作は、しっかりもので優等生キャラの長女のこれまでの生い立ち背景が描かれます。なにしろ四つ子はみな、13歳まで各自銘々が「自分は孤児だ」と思って育ってきた設定なので、四人全員、仲良く暮らし始めたものの、お互いのこともさっぱりまだ分からない。というわけで今回は長女さん。 ▼以下ネタバレですが 長女さんは小学生の頃にやっぱり孤児だったという理由で学校でいじめを受けた。そこで気持ちがグレてしまって、非行に走り、いわゆる不良になっていた時期がある(とはいっても小学生高学年女子の非行ってどういうことなのか自分にはイメージがありませんが)。その後、いろいろ出会いがあって気持ちを持ち直せて、更生?して今に至る。そんなこんなが、長女が隠し事をしたことから、残り三人が長女を「探偵」して知っていく。 ▼好感を持ったのは、不良だったとしても、良い子だったとしても、「人は自分の中に色んな自分を持っている」という考え方を明確に打ち出していたこと。だから優等生も不良も、その現象だけで価値づけてはいかん、というような。それはこういう物語の中に入っている哲学としては、なかなか素敵だなあと思いました。
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人にはいろんな面がある って当たり前のことに 中学生で気付けるのって この先ものすごく大切な経験をしたんだろうね 誇りにしたいような過去もあれば 恥ずかしくなるような過去もあるし それらが合わさって今の人となりを形作る 相手の過去を探るようなことをするのではなく 自然と話してくれることが大切なのだろうけど 物語として明かしてくれる面白さ 今のあなたが大好きですって言えるって良いよね
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