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デカルト入門講義 ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2019/02/07 |
JAN | 9784480099068 |
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デカルト入門講義
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商品レビュー
5
5件のお客様レビュー
『省察』の読解がメインなので「入門講義」と言えるのか疑問だが、出版元を考慮すればこの程度が「入門レベル」ということになるのかと。あんまりレベルを下げるわけにもいかないだろうし。
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科学者であったルネ・デカルトは、自然科学の礎たりえる知識をもとめ、第一哲学=形而上学の再構築に乗り出す。なにひとつ信じられるものがない「懐疑」を出発点に、それでも絶対疑えない原理「我あり」へ、更に「神あり」「物体あり」へと証明をすすめる。本書はその哲学をまず『省察』『哲学の原理』...
科学者であったルネ・デカルトは、自然科学の礎たりえる知識をもとめ、第一哲学=形而上学の再構築に乗り出す。なにひとつ信じられるものがない「懐疑」を出発点に、それでも絶対疑えない原理「我あり」へ、更に「神あり」「物体あり」へと証明をすすめる。本書はその哲学をまず『省察』『哲学の原理』など主著を追ってわかりやすく解説。ついで『世界論』『人間論』を通して、近代哲学の理解に不可欠な自然学的論理を説明する。スピノザ、ロック、バークリ、ライプニッツ、カント、フッサール等々、その後のすべての西洋哲学に強烈な影響力を持ち続けたのは何故か。 第1章 デカルトの生涯―一五九六年〜一六五〇年 第2章 『省察』を読む(1)―第一省察〜第三省察 第3章 『省察』を読む(2)―第四省察〜第六省察 第4章 形而上学を支える自然学―物体の本性と観念の論理 第5章 デカルトの「循環」?―「自然の光」だけを頼りとして 第6章 主観主義の伝統と分析哲学の起点―デカルト哲学の射程
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※このレビューにはネタバレを含みます
「省察」を丁寧に解説してくれており、デカルトの論旨をトレースすることができ解像度がぐっと上がった気がします。自然科学領域にも業績のあるデカルトに対し、第一哲学としての形而上学の面にフォーカスしてるのも、自分の興味とマッチしていて楽しく読み進めることができました。 「コギト・エルゴ・スム」がデカルト哲学の到達点とばかり思っていたけど、明晰明証的な「私」=「心」を始点として、徹底的に疑うことで一旦は存在を否定した神の存在、物質の存在を明らかにしていくところまで証明しているなんて知らなかった。気づけたのは、本書が「省察」を大局的に扱ってくれているおかげです。 P175: 人間が間違いを犯すのは、「選択の能力」=「意志」によるものである。完全なる善なる神から与えられた「認識の能力」=「知性」は有限なものに対し、「意志」は際限がなく、あることを肯定することも否定することも自由(ゆえに神の似姿としての人間が有する能力)。「知性」で測り知れないものに対して、「意志」で判断をしてしまうから誤謬が生まれるのだ。正しく「知性」の中で判断を下すうちは、間違いを犯すことはない。 P191: 物体の存在証明 自分の中にある種の「受動的能力」がある。それは感覚にって捉えられる物の観念を受け入れる能力であり、生み出される観念は、それを生み出す能動的な能力が必要となるが、「知性」の働きを前提としないため(しばしば自分の意に反してそういった観念を得る)、自分の心の中からは発現していない。そうなると、こういった観念は私とは異なる実体のうちになければならない。欺く神ではない神は、それら観念を物体に由来すると信じる大きな傾向を人間に与えており、それら観念を私の中に送り込みむ物体が存在するとしなければならない道理がある。 デカルトの哲学は、部分部分で以後の主観的主義や分析哲学まで大きな影響力を与えており、まさに近代の大家という位置づけは否定できないという著者の意見。 神の存在が前提となっているため人の理性にフォーカスして認識が対象をなすといったカントの超越論的感覚でさらに考察は研ぎ澄まされるのだろうけど、土台はここにあるのかと感動。 すべての根源たる第一哲学を証明する論理に、それを前提としてしか存在しえない自然科学を拠り所にしちゃうとか、主観的な主張を盛り込んじゃうとか論旨が破綻してるじゃん、でもこの徹底的な姿勢は尊敬っていう著者のスタンスが何かかわいい。 まだにデカルト二冊目だけど、この本が入口といては最適なんじゃないかなっていうぐらい良い負荷で読み進められました。
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