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データが語る日本財政の未来 インターナショナル新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社インターナショナル/集英社 |
発売年月日 | 2019/02/07 |
JAN | 9784797680331 |
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日本の財政が恐ろしく危機的である事を徹底的にデータの裏付けをもとに語る。なぜ、これほど“異次元”の危機的状況にも関わらず、円という通貨の信用が維持され続けて円高のままなのかが最大の謎である。とてつもない円安となり、とてつもないインフレになると警鐘をならす経済学者も多くいるが、広く...
日本の財政が恐ろしく危機的である事を徹底的にデータの裏付けをもとに語る。なぜ、これほど“異次元”の危機的状況にも関わらず、円という通貨の信用が維持され続けて円高のままなのかが最大の謎である。とてつもない円安となり、とてつもないインフレになると警鐘をならす経済学者も多くいるが、広く国民に響かないのはなぜなのか。嫌なことは見ないふり。とんでもない状況になるまで実感が持てず、動かないのは国民性なのか。「短期的に見れば合理的な選択」の積み重ねで、自分は悪くなと思っているリーダーたち。長期的な見通しは見ないふりを続けている日本。こんな悲惨な見通しの中でもちゃんと現実に向き合い、長期的な夢を抱いて困難な状況に全力で向き合っていけるようにしないといけない。いつまで衆愚政治を続けるのか・・・将来の明るい夢が語れる日本でありたい。
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この本も類書ですでに指摘されてきた日本財政の未来について書かれた本ですが、私が読んだところでは以下の2つの特徴がありました。 一つ目は、述べられていることが調査可能なデータに基づき、それを多くの図表で解説してある点です。本によってはデータの出所を巻末に明示しただけで、結論や推察...
この本も類書ですでに指摘されてきた日本財政の未来について書かれた本ですが、私が読んだところでは以下の2つの特徴がありました。 一つ目は、述べられていることが調査可能なデータに基づき、それを多くの図表で解説してある点です。本によってはデータの出所を巻末に明示しただけで、結論や推察したポイントのみを書いているものもありますが、理系出身で実験データを元に何が起きているのかを考える癖がついている私にとっては、この本の著者の明石氏の本は初めて読みましたが、納得感がありました。 二つ目は、データが残っていないということで、私にとってはブラックボックスに包まれていた太平洋戦争前後の経済データが示されていた点です、このデータを見ると、それまでの通貨・紙幣の価値が100分の1になってしまった等と定量的に理解できて良かったです。 以上を踏まえた上で、本の後半には日本財政の未来について予測が書かれています。コロナが蔓延している中、これを理由にして何でもありの状態に数年以内になりそうな気がします。自分で決断して数年後に起こることに対して冷静に対処していきたいと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・10年国債だと10年毎に6分の1ずつ返していく、こんなにゆっくり返すので借金がたまる(p18) ・大学卒業者に占める就職者の割合は、バブル崩壊前(1991)までは概ね上がり続けていたが、それ以降は急降下して一旦止まって(95−97)1999年から2003年にかけて55%程度に落ちている、この時期は就職氷河期と言われている(p86) ・バブル期の国内銀行貸付金残高は1997ねんには475兆円のピークを記録、それ以降減少に転じているが銀行破綻のピークと重なる。名目GDPも同じである、1997ねんに523兆円、リーマンショック2009年が470兆円、2015年で500兆円(p89) ・減税を繰り返した上に、総合課税でなく分離課税(株の売買は対象とならない、例外措置で適用)までしたので、所得税は国債的に比較して少ない(p118)大企業が持つ子会社からの配当金には課税されない、理由は子会社は(日本国以外で)法人税を払って残金から支払われるので二重取りとなるから(p120) ・日米マネタリーベースの対名目GDP比較は、2012年以降、アメリカ比較でもすごく大きい。2017年で日本は87%に対して、アメリカは20%程度。日本の金融緩和の規模は超異次元である(p134)マネタリーベースが増えているにも関わらず、マネーストックは変わっていない、これはお金を借りたい、という需要がないということ(p140) ・1954年の製造業名目賃金を100とすると、1970年には500、実質賃金は200以上、消費者物価指数よりも大きい(p147) ・日銀国債買入総額は2012年度は25兆円程度であったが、2015年には70兆円、日銀がいなくなれば日本の国債価格が大暴落するのは確実である(p159) ・2016年12月8日に内閣府はGDPの算出方法を変更し、それに伴い、1994年以降のGDPを全て改訂して発表した。(p162)持ち家の帰属家賃はGDPの1割程度を占める、帰属家賃とは、自分の所有する家について、発生したことにする家賃である。(p177) ・日本は新円切り替えを行ったのちに、厳しい増税、財政緊縮を行ってインフレが終息した。(p235) ・金本位制をとっていた時、当時円と金の交換比率は日本の実力に見合っておらず、円が高すぎる(50ドル=100円)であった、金本位制をやめることで金の量の制限を受けなくなるので通貨を発行できて円安(20ドル=100円)となった(p239) ・1939年に価格等党政令を施行することで物価が無理やり押さえ込まれていたが、戦争が終わると物価は急上昇した。1945年を100とした卸売物価指数は、1949年には6000、1951年には1万となり、100倍近くになっている(p245) ・政府債務残高対GDPは、1944年に200%を超えていたが、1946年には一気に50%に落ちている、戦後の極端なインフレにより借金を大幅に減額することに成功した(p246) ・日本の世帯数は2023年にピークを迎え、そこから減少へ転じていく。他でカバーできない限り、実質GDPも落ちていくことになる(p275) ・現在の日本政府の溜まりすぎた借金の処理方法(財政の立て直し)は、1)増税と緊縮財政、2)経済成長、3)極端なインフレである(p276) 2021年1月17日作成
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経済政策の判断ってホント分からない。帯にもある「日本は絶対に財政破綻しない」って書いてある記事を読むとそんなもんか、と思うし、この本のようにそうじゃないでしょ、ってのもそうなのか!と思うけど、結局「痛い目に遭う」まで変えられないのが僕らなんだよなぁ〜。
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