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古井由吉(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2019/02/02
JAN 9784065143360

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商品レビュー

3.7

3件のお客様レビュー

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2019/09/30

「この道」(古井由吉)を読んだ。 過去と現在、生と死の間を行きつ戻りつする研ぎ澄まされた感性によってもたらされるその文章はまさに日本文学の至宝のひとつだと思う。 読み終わった今、きっとだれにでもそのようなことがあるはずの、その捨て置かれた、ただ、黒くて滑らかな、まるい石を思う。

Posted by ブクログ

2019/08/09

この作品はよせてはかえす波の音を聞いているかのように進んでゆくお話でした。そのお話はまるで筆者の声が章ごとに、海のように雄々しさを増す場面、静けさのなか見つめる海の場面の中に、常に波の音が聞こえるようなのです。主題は「生と死」についてですが、社会動向時間を軸にしながらも主役は常に...

この作品はよせてはかえす波の音を聞いているかのように進んでゆくお話でした。そのお話はまるで筆者の声が章ごとに、海のように雄々しさを増す場面、静けさのなか見つめる海の場面の中に、常に波の音が聞こえるようなのです。主題は「生と死」についてですが、社会動向時間を軸にしながらも主役は常に自然です。この作品を読むことで俳句の楽しみ方、草木盆栽の眺め方、昔話、妖怪、郷土料理、参拝などそして何といってもすぐ側にある英語の辞書の奥にある国語辞書を引かなければわからないような日本語の知識を身に着けることができます。その中に、筆者の美意識の基準がしっかりと時に穏やかに、時に厳しく刻まれている作品でした。 * この作品は多和田葉子さんの「穴あきエフの初恋祭り」の読後、YOUTUBEで彼女の名前を検索した時に「群像」のトークイベントに筆者がスペシャルゲストとしていらしていたことがきっかけで知ることができました。その時の筆者の大らかさと朗らかさ、しかしながらご発言の厳しさに魅せられてこの本を読むことになりました。 この作品の中で私が一番好きなのは【花の咲くころには】の「従順」という言葉です。この従順という言葉は私にとっては本当に難解な言葉でした。その言葉の意味を「なぜ従順が美しいのか」を一から納得させてくれるのです。新元号にも「令和」と「令」が使われていますが、少し通ずるところがあるのかなと重ね合わせて読み進めていました。 この「従順」を語る上で筆者として「美の範囲」について厳しく忠告されているのが【この道】だと感じています。この章での筆者の魂の年齢は20代30代、まさに壮年の魂の叫びだと感じました。今の女性の立場向上の時代、何もかもを女性の責任であるかのように仕立てる男性を律するかのように、往年の誰もが逆らえないであろうレジェンドである松尾芭蕉の俳句を引き合いにしかしながらも「晩年の句ではないけれど」と断りをいれ礼を尽くしながらも、意を唱えるのです。そしてラストに、俺ならこう書く、と言わんばかりに具体的に雪と樹木で美を表現されるのです。もうこの場面が本当に格好良いのです。まさに理想の男性像なのです。 すべての章において主役は自然(女性)表現なのです。自然が女性を表現しているというのがよくわかる描写が【行方知らず】の雷の場面でしょうか。本来の女性・男性を、各々役割があるんだよぉ、というのをなんともよせてはかえす波のようにやさしく諭されているのが本当に心地よい作品でした。

Posted by ブクログ

2019/06/16

古井由吉氏の「この道」、たしか新聞の書評にあったようで、図書館の開架で見つけ借りました。たぶん初読み作家さんです。「この道」、2019.1発行。古井由吉氏、この方はどんな方なんでしょう。私には全然わからない方でした。1937年生まれ、東大大学院修士修了で芥川賞受賞されてる方なんで...

古井由吉氏の「この道」、たしか新聞の書評にあったようで、図書館の開架で見つけ借りました。たぶん初読み作家さんです。「この道」、2019.1発行。古井由吉氏、この方はどんな方なんでしょう。私には全然わからない方でした。1937年生まれ、東大大学院修士修了で芥川賞受賞されてる方なんですね。軽く二度読みしましたが、「接点」が見いだせなかったです。そもそもこの作品が、エッセイなのか、日記なのか、哲学書なのか、わかりませんでした。

Posted by ブクログ

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