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1971年の悪霊 角川新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2019/01/09 |
JAN | 9784040820439 |
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1971年の悪霊
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3.3
5件のお客様レビュー
この世代の3年は大きいと他の人が書いていたが、本当にそう実感して来た。個人的な感覚をグラフにすればU字状に左翼傾向から右傾化に移っていく底の部分が1960年生まれで、堀井氏58年組はやや左翼的情熱が文中でも記されるようにあったが、60年組ぐらいになると“先輩方”の“転向ぶり”に白...
この世代の3年は大きいと他の人が書いていたが、本当にそう実感して来た。個人的な感覚をグラフにすればU字状に左翼傾向から右傾化に移っていく底の部分が1960年生まれで、堀井氏58年組はやや左翼的情熱が文中でも記されるようにあったが、60年組ぐらいになると“先輩方”の“転向ぶり”に白けつつも理解できなくもないわなと漂流していたが、61、62年生まれになると左翼の影響など感じられない、というかそんな事に興味を持たずにひたすら自分の衝動に気が向いていたようで、校内破壊とか暴力への形となっていったのを当時見ていた。そんな事したって意味ないのにと60年組は眺めていた。つまり尾崎豊の世界は61年組以降の世界なのだった。 もちろん地域によってこの年代の区分けは多少ズレるだろうが、京都近郊の片田舎で育った身としては、堀井氏の様な都(みやこ)住まいの体験派と3年程度ズレた世代で、「総括」の結果が多少違っているなと感じた次第である。
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ずっと感じていた左翼への気味の悪さを言語化してくれた本というイメージ。彼彼女の理想は賛同できるのだが、偉そうな物言いや態度がどうにも嫌だなぁと感じていた。どうしてなのかよくわからなかったけれども。そのあたりをものの見事に言葉にしている。 時代の空気というものがある。事件が起きた時...
ずっと感じていた左翼への気味の悪さを言語化してくれた本というイメージ。彼彼女の理想は賛同できるのだが、偉そうな物言いや態度がどうにも嫌だなぁと感じていた。どうしてなのかよくわからなかったけれども。そのあたりをものの見事に言葉にしている。 時代の空気というものがある。事件が起きた時の受け止めとか、その時思ったこと、多くはこんなことになるとはあの時思ってなかったという感想になりがちであるが、その感想のようなものは容易く揮発してしまう。事件だけが残って、こういうことがありました、という記録になる。記録だけでは、その出来事を受け止めことはできないのだと思う。 そういった空気感をとっても反映していて、読んでいておもしろかった。そう思う。
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ウェブメディアCakesに連載されていた時のタイトルは「1970年代の見張り塔よりずっと」。1973年に高校に入学した著者のちょっと先輩である全共闘世代への「おもい」とその後の社会主義の退潮への「おもい」を音楽や映画などの文化を通じてまさに「見張り役」のように呟いています。ほぼ同...
ウェブメディアCakesに連載されていた時のタイトルは「1970年代の見張り塔よりずっと」。1973年に高校に入学した著者のちょっと先輩である全共闘世代への「おもい」とその後の社会主義の退潮への「おもい」を音楽や映画などの文化を通じてまさに「見張り役」のように呟いています。ほぼ同世代としてほぼ同じ時代を生きて来たものとして、著者の「おもい」は、わかるわかる的に染み込んできました。自分の中のモヤモヤが、どんどん言語化されていく感じがしました。1968年の「五月革命」から始まる若者の時代の流れを俯瞰したいという、このところの本のチョイスも、たぶんこのモヤモヤから来ています。1968年を政治から消費への転換点と思っていましたが、もともと政治でもなかったのかも。たぶん革命じゃない革命「五月革命」というネーミングのロマンチシズムが、「『いちご白書』をもう一度」の胸キュンと同一のものなのだと思い至りました。この青春の甘さと人生観の甘さで、左翼的な資産はどんどん目減りしていって今の状況になっているのでしょう。
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