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ことばの生まれる景色
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ナナロク社 |
発売年月日 | 2018/12/18 |
JAN | 9784904292853 |
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
読書をたくさんする人たちの忘年会にて、本交換があるというので以前から気になっていたこれを交換用と自分用に一冊ずつ買いました。それぞれの本から抜き出した一節と、その本のイメージで描かれた絵が先に出てきて、そのあと本についての文章を読む形なんだけど、読んだことのある本でも一節と絵では...
読書をたくさんする人たちの忘年会にて、本交換があるというので以前から気になっていたこれを交換用と自分用に一冊ずつ買いました。それぞれの本から抜き出した一節と、その本のイメージで描かれた絵が先に出てきて、そのあと本についての文章を読む形なんだけど、読んだことのある本でも一節と絵ではなかなか分からなくて、紹介されていた中で読んだことがあるのは10冊くらいあったんですが、一節を見て何の本か分かったのが『細雪』だけでした。 ブックリストというか、おすすめ本を挙げていく本が大好きで本棚のいちコーナーがそういうジャンルで埋まるくらいなんですが、この本はどこか雰囲気が違うなあと思いながら読んでいました。一節を抜き出すにしても、絵を描くにしても、そこを抜き出すんだな、というのが意外で、面白くて、違うひとが違う目線で受け止めると、同じ本からでも新たな「ことばが生まれる」んだなあとしみじみ思ったり。でも自分とは違う目線でも決してちぐはぐな印象ではなく、ここに紹介されているような本たちは、そうしていろんな味わい方のある、ふくよかな魅力の本たちで、そういう本たちを手にとって売ってくれるのが素敵な本屋さんなんだなあ、と。 ちょっと前に桜庭一樹さんの書評集の感想を書いていて、そこでも引用したあたりに、作者の手から離れて読者の読み手のものになるのが小説の良さだというようなことが書かれていたけど、小説に限らず、素敵な本たちは、書かれたときに一度、誰かに読まれてもう一度、他の誰かが読んでもう一度、と、何度も何度もことばが生まれるのかもしれないと思えた本でした。そんなことを考えて読み進めたら、あとがきで、絵を描かれたnakabanさんが引用のフレーズを使われていて、それだ、としっくりきました。 たくさん本を読んで、素敵な鳥たちを窓辺に迎えるひとになりたいな、と思いました。titleにはまだ行けていないので、近いうちにぜひ行きたいです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ベルリンで、北海道で……日常の慌ただしさを離れた旅のなかから生まれた詩篇は、確かにそこの場所と結びついている。しかしそれは同時に世界のどこにでも存在するような、ありふれてはいるが特別な瞬間として、読む人のいるところまでやってくる。(p.28) クレーはまた、我々がどれほどその絵を理解しようと努めたとしても、常に理解の外側に存在する。『造形思考』を読むあいだは「なるほど、そんなものか」と、絵の秘密を解いたかのように納得しても、改めて作品を眺めてみた時、その絵はいつの間にか遠ざかっており、逃げられてしまったかのようにも感じるのである。 一方、作品を鑑賞する側にとっても、最も大切なのは、時間である。肉眼は時間を追うように作られている。目は作品の各部分を順次にじっと見ていく。(p.57) 目のまえにある茶色の机、歩道のアスファルト、新緑のけやき並木……。Nakabanさんによれば、周りに存在するどんなものにも、多かれ少なかれ「青」が溶け込んでいるという。画家のヴィジョンに沿って世界を眺めると、目のまえの空間が青も濃淡でできたモノの速なりに見えてくる。(p.138) ゲーテは『色彩論』のなかで、単純な原色の組み合わせを「現実的満足に最も近いところにある」としながらも、「貧相」であると喝破した。確かに原色はわかりやすく合理的ではあるが、何かの心情を託すにはどこか子どもっぽい色でもある。複雑な人間の心情に訴えるのは、それが混ぜ合わされたものであれ、並列に置かれたものであれ、色彩の割り切れない組み合わせに秘密があるのだろう。(p.139) 『さようなら、ギャングたち』にあるのは、俗にポップでポストモダンと評された軽いことばではなく、絶望から生まれて肉体を伴ったことば、もどかしさから生まれた不器用なことばだ。その断絶を超えた飛躍は、涙を誘う。(p.185) これまで数多くの人にインタビューし、そのライフヒストリーを聞きとってきた岸の小説には、無数の声ならぬ声がこだましている。『ビニール傘』は、それまで岸が聞きとった様々な人生に押されるようにして、この世界に生まれ落ちた小説にも思える。それぞれ交わることのない孤独な声が、プリズムのようにお互いを照らしている姿は、現代の社会に惹かれた見えない境界線を指し示すかのようでもある。(p.214) 漱石は、人生の暗がりにいるときに、読むのがいい。調子がよいときには見えてこない人の世の情景があり、後ろ向きになりながらも前に進む遠まわりの諧謔がある。 そのような漱石の小説のなかでも『門』は、「都会の片隅で、お互いだけを見つめながら、ひっそりと暮らす夫婦がいる」ことが、特に印象に残る作品である。(p.225) 円形劇場の下に座っていたモモは、人の話を聞くだけで、特に自分から何かを語りかけるわけではなかった。しかしその存在自体が自然と相手に働きかけ、出会った人をゆっくりと、その人自身へ帰していった。 本屋に入ってきた人もまた、店にある本を眺め、手に取るうちに、次第にその人自身へと帰っていく。話しながら店に入ってきた友人同士も、並んでいる本を前にすると、口をつぐみそれぞれ思い思いに好きな本を手に取りはじめる。そうした日常からは解き放たれた場所を整えておくことが、本屋の店主としての仕事でもある。「本屋にいるときくらい時間をひとりじめして、素のままの自分で過ごしてもよいではないか」。次第に真剣になっていく人の表情を眺めながら、いつものようにそう思った。(p.258)
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20190128 本を読んで景色を想像したことはなかったので、なかぼんさんの絵と内容の結びつきを理解するためいくつかは本を読んでみた。新しい本の読み方に会えた気がする。
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