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内戦の日本古代史 邪馬台国から武士の誕生まで 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2018/12/19 |
JAN | 9784065141892 |
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内戦の日本古代史
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内戦の日本古代史
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商品レビュー
3.6
14件のお客様レビュー
神話の時代から後三年の役までの日本国内の内戦の歴史を概説しつつ、古代日本人が島の外に比べて比較的平和に事を収めてきた、しかし武士が政治の中心となって、ついには尚武の国へと変貌していった、と論じている。記録でも発掘調査でも凄惨な殲滅戦の形跡が見つからないとはいえ、古代日本人が筆者が...
神話の時代から後三年の役までの日本国内の内戦の歴史を概説しつつ、古代日本人が島の外に比べて比較的平和に事を収めてきた、しかし武士が政治の中心となって、ついには尚武の国へと変貌していった、と論じている。記録でも発掘調査でも凄惨な殲滅戦の形跡が見つからないとはいえ、古代日本人が筆者がいうほど平和的だったとはすぐには首肯できない。結果的には平和な人々だったかもしれないが、言葉や身なりのまったく違う連中が押し寄せて来なかったから平和でいたれただけなのではないか。元寇や黒船来航などで拒絶反応として尚武に傾いたのは人や社会として無理もなかったのでは、と思うのだが、どうだろう。 それはさておき、大河ドラマに道長が主人公になることはない、と後書きに書いた6年後の2024年大河ドラマの時代考証のオファーを受けた時の筆者の思いはいかばかりだったろうか。
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倉本一宏先生は帝国主義がアジア諸国を侵略した歴史を嘆く、平安貴族を怠惰で情けなく思う心が武力に囚われた日本人となった事をおかしいと感じたのだろう「日本は戦争をしない国である(小規模な内戦のみ)」「外国で起きた民族同士の戦争のような徹底的な殲滅戦はなかった」武士の出現で儒教的で和平や懐柔による解決を・敵にも穏便に対応していた筈が前九年・後三年の役の様になった事に衝撃を受けた著者は国内の主だった戦いが内戦で小規模で犠牲者も少なかったことを古代史の内戦全般を詳らかに描く・・・月並みだが「中国大陸や朝鮮半島から離れた島国であったために海外勢力からの侵略を想定せずにすみ、強力な中央集権国家建設の必要性をそれほど感じなくても良かったこと、逆に日本列島からも海外へ武力進出する可能性も低かったために、強力な軍事国家建設の意思を持つこともなかったのであろう。また、周辺にほんとうの意味での異民族が存在しなかったために、国土が侵攻されるという危機感も薄かったはずである。さらには、易姓革命を否定して世襲を支配の根拠とした王権を作ったために、本気で王権を倒す勢力も登場せず、王権側も革命に対応する武力を用意していなかった事も大きな要因である。加えて、王権を囲繞する支配者層も、その中枢部のほとんどは王権を擁護することを旨とした藤原氏によって占められ、軍事をになった氏族も王権から分かれた源氏と平氏、そして藤原氏の末裔によって占められたために、武力行使勢力さえも世襲された」というまとめを得た
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『戦争の日本古代史』が対高句麗戦から刀伊の入寇に至る対外戦争(主に外征)の歴史を扱ったのに対し、本書は倭国大乱から前九年後三年の役に至る内戦の歴史を描く。著者は古代日本の特徴として、対外戦争も内戦も世界的に見て回数が少なく、規模も小さかったことを挙げている。そしてその理由として、...
『戦争の日本古代史』が対高句麗戦から刀伊の入寇に至る対外戦争(主に外征)の歴史を扱ったのに対し、本書は倭国大乱から前九年後三年の役に至る内戦の歴史を描く。著者は古代日本の特徴として、対外戦争も内戦も世界的に見て回数が少なく、規模も小さかったことを挙げている。そしてその理由として、日本が島国であって他民族の侵攻を受けにくく、同一王権(王朝)の下で和平・懐柔路線が採られたことが大きいとする。かくして、倭国大乱、日本武尊伝承、磐井の乱、丁未の乱(物部戦争)、壬申の乱、藤原広嗣の乱、恵美押勝の乱、蝦夷征討、天慶の乱、平忠常の乱、前九年・後三年の役と、日本史履修者には懐かしい事変を順次やや詳しく検討していく。ここで明らかになるのは、中央集権的な律令国家の理想が崩れ、地方の紛争が全国各地に様々な軍事組織(最初期の武士)を生み出していく趨勢である。著者は、この状況を「王朝国家」と呼び、これこそが日本的古代国家の完成形であり、同時に中世社会への胎動であったと考えている。但し、和平・懐柔路線を旨とした王朝国家が、何故に自力救済(暴力主義)を旨とする中世社会に移行したかは、更なる研究に委ねている。また、近代に至ってようやく武士の時代を終わらせた日本が、今度は武士の倫理である武士道を国民全体に「扶植」しようとした事実についても触れており、近世史・近代史についても「持論」を待ちたいところである。
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