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The Moon Also Rises 新鋭短歌シリーズ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 書肆侃侃房 |
発売年月日 | 2018/12/07 |
JAN | 9784863853454 |
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The Moon Also Rises
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商品レビュー
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五十子尚夏(いかごなおか)は、1989年滋賀県生まれ、2015年に短歌を作り始める。本書の解説で、歌人・加藤治郎は、毎日歌壇の投稿者だったと書いている。 私はアラ還の会社員で、近年短歌に興味を持つようになり、俵万智、穂村弘、東直子、枡野浩一、木下龍也、岡野大嗣、九螺ささら等による...
五十子尚夏(いかごなおか)は、1989年滋賀県生まれ、2015年に短歌を作り始める。本書の解説で、歌人・加藤治郎は、毎日歌壇の投稿者だったと書いている。 私はアラ還の会社員で、近年短歌に興味を持つようになり、俵万智、穂村弘、東直子、枡野浩一、木下龍也、岡野大嗣、九螺ささら等による入門書や歌集、多数の現代歌人を集めたアンソロジー等を読み、新聞歌壇でも時おり選ばれるようになった。 私が投稿している日経新聞の歌壇(日経歌壇)は、三枝昂之と穂村弘が選者をやっているのだが、若手の歌詠み(玄人・素人問わず)に圧倒的な支持を受けている穂村弘宛には、(セミ)玄人の投稿もあるらしく、五十子尚夏の歌もしばしば掲載されており、新鋭短歌シリーズの中にその名前を見つけ、本書を入手した。 因みに、最近の日経歌壇では、以下のような歌が掲載されていた。 春雷のかそけき深夜ラジオより明石家さんまの声聞きにくし 薄暮に聞く波の寄せては返しつつ海とはひとつの二重否定か 紫陽花だと思っていたら本物の戦争だった 近づいてくる 夏というひとつの円を閉じてゆく硝子の森を統べる力に 冷蔵庫に点眼薬の立つ真昼 ペンシルヴェニア州より手紙来ぬ 五十子尚夏の歌の特徴は、カタカナを中心とした固有名詞が極めて頻繁に使われていることと、近代短歌以降のひとつの潮流である「私性」が徹底的に排除されていることと思われる。「私性」の排除は、現在最も人気がある若手歌人のひとりの木下龍也にも見られる特徴で、ポストモダン短歌のトレンドのひとつとなっているが、五十子尚夏のそれは徹底しており、ある意味非常に刺激を受ける。 私は、新聞歌壇を主な活動の場とするシニアな歌詠みの例に漏れず、どうしても日記風の歌が多くなってしまうのだが、自分の平凡な歌にも、少しでもこうしたフレーバーが取り入れられるように、試行錯誤をしていきたいと思う次第である。 (2024年3月了)
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