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精神現象学(下) ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2018/12/11 |
JAN | 9784480097026 |
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商品レビュー
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面白かったですね。 (数年前に一度読んでいて、今、再読中) もちろん哲学書の御多分に洩れず難解なのだけれど、この難しさの質は「何とかなりそうな」難しさです。私たちにも馴染みのある合理や理性の射程範囲にあるような。まあそれでも私のような凡人には難解極まりないのですが。 私個人と...
面白かったですね。 (数年前に一度読んでいて、今、再読中) もちろん哲学書の御多分に洩れず難解なのだけれど、この難しさの質は「何とかなりそうな」難しさです。私たちにも馴染みのある合理や理性の射程範囲にあるような。まあそれでも私のような凡人には難解極まりないのですが。 私個人としては哲学のテクストに文学性や矛盾性のようなものを求めているふしがあります。ヘーゲルのこれはまさにその宝庫で楽しく味わえます。 本書の面白さの一つは、困難や苦難を肯定し、受容するきっかけを与えてくれる(かもしれない)こと。 荘子の「楽しむところは窮痛にあらざるなり」を思い出します。 対立や衝突というものをどのように見なすか。
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P154 381 「反抗する自己意識である場合にのみ、自己はみずから自身が引き裂かれ、分裂していることを知っている。そしてそのように分裂しているのを知ることで、自己はただちに分裂を超えて高められているのである。」「肯定の対象となるのは、ひとり純粋な〈私〉そのものだけである」 この...
P154 381 「反抗する自己意識である場合にのみ、自己はみずから自身が引き裂かれ、分裂していることを知っている。そしてそのように分裂しているのを知ることで、自己はただちに分裂を超えて高められているのである。」「肯定の対象となるのは、ひとり純粋な〈私〉そのものだけである」 この辺りとか、本当にナショナルアイデンティティとかに悩んだりしていた私には刺さる表現だった。ヘーゲルは国家を枠組みとしてみているけど、同時に国家の限界も思考しているという印象。
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1年ぶりに読み返したけど面白かった! 良心が赦しによって相互承認に至る過程は特に面白い。しかし、現代に引き付けて考えてみると、ヘーゲルの言うような「赦し」による和解が難しくなっているように感じる。むしろ、道徳の段階のような、自己の正しさに固執する契機の方が目につくのではないだろう...
1年ぶりに読み返したけど面白かった! 良心が赦しによって相互承認に至る過程は特に面白い。しかし、現代に引き付けて考えてみると、ヘーゲルの言うような「赦し」による和解が難しくなっているように感じる。むしろ、道徳の段階のような、自己の正しさに固執する契機の方が目につくのではないだろうか。自己の知の有限性を自覚する良心だからこそ、和解が可能なのか。そうなると、情報が溢れる現代社会において、良心の段階に達することこそが難しいのかもしれない。
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