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厨師、怪しい鍋と旅をする
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2018/11/30 |
JAN | 9784488027940 |
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厨師、怪しい鍋と旅をする
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商品レビュー
3.8
11件のお客様レビュー
[1]「聊斎志異」の系譜と言える綺譚集で楽しめます。現代の作品なのであそこまであっさりではないけど。 [2]腹が減ると獣や人を襲う物騒な鍋の本来の持ち主を捜す旅をする厨師、斉錬の物語が主の短編連作。 [3]鳥を愛で鳥を食べない娘、琳泳の物語が話をまとめる。 ■簡単なメモ 【一...
[1]「聊斎志異」の系譜と言える綺譚集で楽しめます。現代の作品なのであそこまであっさりではないけど。 [2]腹が減ると獣や人を襲う物騒な鍋の本来の持ち主を捜す旅をする厨師、斉錬の物語が主の短編連作。 [3]鳥を愛で鳥を食べない娘、琳泳の物語が話をまとめる。 ■簡単なメモ 【一行目】そこがどこであろうと、斉鎌の仕事はそこにあるものを使って料理を作ることだった。 【戦場の厨師】斉鎌がいかにして鍋と包丁に出会い旅の厨師になったか。 【湖州の粥】客のように親切に扱ってくれる家。 【鳳嘴苑】鳥飼娘の琳泳(りんえい)と青く美しい鳥、雨過(うか)。 【石棺いっぱいの蜜】即身蜜を売る少年、崑。 【古家の怪】奪われた鍋。 【孫氏令嬢誘拐事件】誘拐されたとおぼしき少女を救う。 【川神への供物】斉鎌、川神と出会い鍋の手がかりを得る。 【黒糖と胡桃】斉鈞と斉錬が雇われた瀋崖隣の屋敷に大物が来るらしい。 【再会の木蘭】木蘭の咲く寺で。 【乳の味】琳泳は義姉の妹の子が痩せ衰えているので白麗の剥製を貸した。 【紅鶴楼縁起】嫁に行きたくない琳泳が冗談で出した課題に家族らは乗る。 ■簡単な単語集 【雨過/うか】美しく青い鳥。瀋崖隣の鳥房で飼われている。鳴かない。どうやら高貴な鳥の可能性がある。 【川神】鯉のような髭のある女性。人身御供に困っている。 【魏三黛/ぎ・さんたい】元任侠で私設軍隊を作った。情に厚く比較的マシなタイプ。斉鎌はその戦場料理人になった。 【紅鶴楼/こうかくろう】とある街にできた酒も出すレストラン。ただし鳥肉料理はない。 【崑/こん】即身蜜を売ろうとした少年。ルックス的には西方の血が混じっているようだ。 【斉家村/せいかそん】厨師の郷と呼ばれたりもするが偶然そうなっただけのこと。出稼ぎが収入源と言える。ほとんどの住民が斉氏。 【斉鈞/せいきん】斉鎌といっしょに村を出て厨師になった。肉料理が得意で、肉がなければ本物と見紛う肉もどき料理を作る技術を持っていたがその後名家で働き多くの技術を取得した。総合的には斉鎌より腕が立つと思われる。 【斉鎌/せいれん】主人公の厨師。二十五歳。あるとき暴れん坊鍋を借りてしまいそれを返すまでは村に戻ってはいけないと命じられ本来の持ち主である李を捜す旅に出ることになった。その代わり村の宝である守り包丁を与えられた。 【曹馳亮/そうちりょう】斉鈞を雇った金持ち。今は隠居しているがさまざまな相談役をやっている。かつて大病を得たことがあり病人食のような料理ばかりを食べさせられて辟易している。 【即身蜜】即身仏を漬け込み溶けてしまった蜜。万能薬であり貴重。 【段志調/だんしちょう】曹馳亮の友人で秀才。飢えて育った経験があり世の中の細々とした知識を持っている。 【厨師】「食えるものを出すのが飯炊きで、美味いものを造るのが厨師だ」(p.7)/経験によって、飯炊きと厨師の間を隔てるものは塩ではないかと思うようになり、確信に近くなっていた。(p.7) 【鳥迷/ちょうめい】超え良しを競う鳥に入れ込む人のこと。 【鍋】斉鎌の鍋は腹が減ると暴れる。その代わりいい出汁が取れる。 【白麗/はくれい】瀋崖隣の鳥房にいた尾が長く純白の鶏。死んだあと剥製になった。 【瀋崖隣/はんがいりん】役人で鳥の画を能くする画人でもある。鳳嘴苑(ほうしえん)という鳥房を持つ。 【包丁】魔の鍋と共に旅をしなければならなくなった斉鎌に与えられた斉家の宝。研いでないが刃物にすると力を持ちすぎるからだろうと斉鎌は考えた。 【楊月蛾/ようげつが】圭秀画家。琳泳の絵の師匠。 【李/り】鍋の本来の持ち主。「桃源の」と言ったので仙人かそんなとこだろう。 【琳泳/りんえい】瀋崖隣の鳥嘴苑で鳥飼をしている娘。
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中国の明時代の話?題名通り、若い厨師(料理人)がとんでもない鍋とあちこち巡って、怪しいことや不思議なことやえぐいことに遭遇する話。後の妻にも出会う。淡々と語られるのがみそだねえ。鍋は結果悪いことはせんかったよ。いかにも中国風の物語群で、面白いこと無類。勝山海百合、いいね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
厨師とは、厨房の師、即ちる料理人のこと。清朝時代と思われる中国で、妖異の鍋と包丁のようなものを持ち放浪の旅をする厨師、斉鎌の奇妙な体験をつづる中華ファンタジー短編集。 中島敦を今風に読み易くしたような、中華味の物語が味わい深くて面白い。スゲー怪物やとんでもない事件は起こらないものの、民話調の不思議な怪異譚がなんとも心地よい。初読の作家さんだが、面白かったので過去作を追いかけてみようかと思う。 無性に饅頭が食べたくなる。そして、解説は物語や作者ではなく、ほぼ饅頭の解説になっているっていうもの面白い
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