おとぎ話のモノクロームイラスト傑作選

海野弘(著者)

• 販売会社／発売会社: パイインターナショナル
• 発売年月日: 2018/11/12
• JAN: 9784756251169

商品レビュー

2021/01/26

1860年代からの木口木版画から始まるモノクロムイラストの
黄金期を彩る、欧米イラストレーターたちの「線画」の作品集。
・白と黒の魔術 モノクローム・イラストの歴史
CHAPTER1　木版画ルネサンス 1860年代のイラストレーターたち
CHAPTER2　世紀末アールヌーヴォー・ブック ビアズリー時代
CHAPTER3　黄金期のイラストレーターたち
関連年表、挿絵本印刷の歴史有り。
大部分がモノクロ画像。数枚、多色印刷も有り。小口が金色。
英国での木口木版画の隆盛は、多くのイラストレーターを輩出した。
子ども向けの絵本から、絵入りの雑誌や新聞、大人の本へ。
本のデザインから美術誌と、活躍の舞台は広く開かれていく。
そして1890年代の写真製版を経て、第一次世界大戦前まで。
20世紀初頭の挿絵の黄金時代を飾る、
欧米イラストレーターたちの作品をご覧あれ！
ビュイックから始まり、クルックシャンク、テニエル、ドイル、
ラファエル前派、クレイン、ビアズリー、アールヌーヴォー、
グラスゴー派、ウィーン分離派、アールデコ、ポガニー、
クラーク、ヴェーゲナー、バルビエ等の様々な作品が
犇めいています。中には小さな画像だったり、デュラックや
アラステアのように名前だけの紹介もあります。これは残念。
反面、シーム、リケッツ、ハウスマン、キング、
ラッカム(シルエット作品も有り)、ロビンソン兄弟、
オースティンについては、たっぷりと紹介。
カイ・ニールセンにおいては、なんと78ページ！
デザインの発想の豊かさ、表現、白と黒のバランス等、
どの画家の作品も素晴らしいものばかり。
同時に、木口木版画職人の繊細な彫りの技術も窺えました。