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樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声 ハヤカワ文庫NF ハヤカワ・ノンフィクション文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2018/11/07 |
JAN | 9784150505318 |
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樹木たちの知られざる生活
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商品レビュー
4.4
53件のお客様レビュー
最近樹々や菌類の相互依存とか、総体としての森の生態系といった特集ドキュメンタリーが制作されたが、その原点はこの本かと思われる。種をこえた樹々のコミュニケーションや危機に直面した際の化学物質の分泌過程など興味深い話がいっぱい。水不足におちいると悲鳴をあげるなど、動物とはかけ離れたあ...
最近樹々や菌類の相互依存とか、総体としての森の生態系といった特集ドキュメンタリーが制作されたが、その原点はこの本かと思われる。種をこえた樹々のコミュニケーションや危機に直面した際の化学物質の分泌過程など興味深い話がいっぱい。水不足におちいると悲鳴をあげるなど、動物とはかけ離れたありようではあるが植物も生き物であることがよくわかる。林業は効率よく木材を生産するために木の成長が止まったところで伐採してしまうが、木の寿命の観点から考えると、ちょうど成年期に達したところで切ってしまうようなもので、健全な森にはもっと壮年老年の木も必要であるというのは新しい気づき。親に光を遮られて遅く成長する木の方が丈夫な木になるというのも示唆に富む話だと思った。
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いつぞや高橋源一郎が紹介していて気になっていた本。ガーデニングがマイブームの今読んでみた。 樹木について、まさに知らなかったことがたくさん書いてあって、とても興味深い。木ってこんなに「生き物」だったのか! ・木は齧られると味を変えて抵抗する ・木は内部で小さな音を出している ・ブナは仲間と根で栄養を分かち合っている ・海の近くから森があるおかげで雨が降る。森が続いていないと雲にならない ・木の寿命は1万年にもなることがある ・移植されたり枝を切られた木は弱まる。森の中で日陰をお互いに作るから木は長生きする 翻訳の本にありがちなんだけど、ちょっと読みづらかったので、読み切るのに時間がかかった。機会があればまた読み返したい。
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ペーター・ヴォールレーベン(1964年~)は、ドイツのボン生まれ、大学で森林学を専攻した後、ドイツ西南部のラインラント=プファルツ州の営林署に20年以上勤め、その後、フリーで森林の管理を行う。 本書は、長年森林の管理をしてきた著者が、豊富な経験と科学的知見をもとに、森林と樹木の生...
ペーター・ヴォールレーベン(1964年~)は、ドイツのボン生まれ、大学で森林学を専攻した後、ドイツ西南部のラインラント=プファルツ州の営林署に20年以上勤め、その後、フリーで森林の管理を行う。 本書は、長年森林の管理をしてきた著者が、豊富な経験と科学的知見をもとに、森林と樹木の生活について綴ったエッセイ集。2015年に出版され、全世界で100万部を超えるベストセラーとなり、2017年に出版された邦訳(2018年文庫化)も、多数の新聞書評で絶賛された。 私は、30年近く前に数年間ドイツで過ごしたことがあり、そのときにドイツ国内の各地を訪れたが、ドイツは、南部のアルプス沿いを除いて険しい山地がなく、また、地方分権的な体制となっているために巨大な都市もなく、全土がなだらかな丘陵と森林に覆われているという印象であった。そして、ドイツ人は、休日に郊外の森を家族で散歩することが、この上なく好きであった。 本書を読んで、まず頭に浮かんだのは、上記のようなドイツの森の様子とドイツ人の行動パターンなのだが、同時に、知らなければ見過ごしてしまう樹木たちの姿や行動に納得し、ドイツ人があれほど森が好きなのは、おそらくこうした知識を子供の頃から家族に徐々に教わり、それによって森に愛着が増していくからなのだろうと思った。 また、ページをめくりながら、以前読んだ、植物が生き延びるための様々な“すごい”能力・仕組みを紹介した、田中修『植物はすごい』を思い出したのだが、そうした能力・仕組みは、植物が能動的に身に付けたわけではなく、偶々生じた(突然)変異で、生存に有利な形・生態が自然選択され、その膨大な積み重ねによってそうなったものだ。(そう言ってしまうと、身も蓋もないのだが。。。) しかし、著者は本書で、そうした科学的な事実を、樹木を人間に、森を人間社会に喩え、あたかも人格があるかのように描くのである。これは、著者の樹木に対する優しさ・愛情があってのもので、読んでいてとても心地よいし、本書を類書と画する最大の特徴だろう。 今後、樹木のある公園や森を歩くときに、周りを見る目や心持ちが変わることが間違いない、好感度の高い一冊と思う。 (2024年6月了)
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