スラッシュ・メタルの誕生 BURRN！叢書22

シンコーミュージック・エンタテイメント

• 販売会社／発売会社: シンコーミュージック・エンタテイメント
• 発売年月日: 2018/10/31
• JAN: 9784401646180

商品レビュー

2019/03/23

去る3月21日に行われたDownload Japan 2019で、最終ツアー中のSlayerが終演後、日本語でファンに別れを告げた。

本書は2017年に出版された『スラッシュ・メタルの真実』（ https://booklog.jp/item/1/4401643771 ）の姉妹編である。
今回はスラッシュ・メタルの誕生をテーマに、ミュージシャンのインタビューにより掘り下げていくという主旨である。
80年代初頭にベイエリアを中心に同時多発的に生まれ、一大ムーヴメントとなったスラッシュ・メタルが当事者たちの言葉で語られる。
このジャンルから頭角を現し、最も巨大になったMetallicaを例に出すまでもなく、彼らの多くはパンク及びNWOBHM（ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル）に影響を受けていることが分かる。
また、前作『スラッシュ・メタルの真実』でも語られるバンド間の互助精神や、インターネットの存在しない当時、テープトレードなどにより、世界中にスラッシュ・メタルが広がっていく様子など、胸が熱くなるエピソードが満載だった。

本書で何度か触れられる「スラッシュ・メタルはメタルのサブジャンルで最も長く続いている」というフレーズがある。
しかし始祖の一組であり、トップランナーであり続けたSlayerのツアー引退が近く、同世代の最重要バンドが高齢化していく今、どのように続いていくのか、このジャンルを愛好する一リスナーとして見届けたいと思う。

【CONTENTS】
CHAPTER 1 デイヴィッド・エレフソン
CHAPTER 2 ジーン・ホグラン
CHAPTER 3 クリス・ポーランド
CHAPTER 4 フォアン・ガルシア
CHAPTER 5 ケイトン・W・デ・ペナ
CHAPTER 6 カーク・ハメット
CHAPTER 7 ダン・リルカ
CHAPTER 8 グレッグ・クリスチャン
CHAPTER 9 ロッキー・ジョージ
CHAPTER 10 デイヴ・ロンバード

https://www.shinko-music.co.jp/item/pid0646185/