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麻原彰晃の誕生 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2018/10/27 |
JAN | 9784101304359 |
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麻原彰晃の誕生
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3.2
13件のお客様レビュー
第1章 狂気の誕生 松本智津雄のちの麻原彰晃は熊本県八代市の干拓地で生まれた。生家は貧しく、また遺伝的に盲者が多く、智津雄も片眼の視力が殆どなかった。ただ、もう片方の眼は1.0近い正常な視力があった。普通小学校へ通うこともできたが、親と全盲であった長兄の意向で熊本市内の盲学校へ...
第1章 狂気の誕生 松本智津雄のちの麻原彰晃は熊本県八代市の干拓地で生まれた。生家は貧しく、また遺伝的に盲者が多く、智津雄も片眼の視力が殆どなかった。ただ、もう片方の眼は1.0近い正常な視力があった。普通小学校へ通うこともできたが、親と全盲であった長兄の意向で熊本市内の盲学校へ進学させられる。実質的な口減らしをしたい両親と、同じ盲学校で寮生活を送り弟を使役したい長兄の思惑に従わされるかたちで、これが智津雄の心の最初の歪みとなった。 寄宿舎に住みながらの盲学校の生活では、ほとんどが全盲の生徒の中で一人片眼とはいえ“視える”智津雄は、家族から見捨てられたとの思いも相まって、孤独感を味わったのではないか。それは、やがて「自分はこんなところにいる人間ではない」という自身を特別視する思考へ変質し、体力の目覚ましい成長とも伴って全盲の他の生徒たちへの支配欲となっていった。小、中、高と生徒会長へ立候補したことも異常に肥大した承認欲求と権力欲を感じさせる。 なお、この章は智津雄の在校時代の教師の証言が頻繁に引用されており、その悪童ぶり、指導が心に響かない様が語られるが、これらは一連の事件が明るみにでたあとの証言であり、証言者の智津雄への印象が事件の影響を受けている点は考慮するべきだろう。
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2006年刊の文春新書版を新潮文庫から再刊行したもの、だろうか。 現物比較した訳ではないので内容の相違は分かりかねるがページ数はほぼ一緒のようだ。 文庫版発売のタイミングは死刑執行から4ヶ月後。 筆者のスタンスはあくまで中立。麻原の所業ひとつひとつに肯定も否定も述べるものではな...
2006年刊の文春新書版を新潮文庫から再刊行したもの、だろうか。 現物比較した訳ではないので内容の相違は分かりかねるがページ数はほぼ一緒のようだ。 文庫版発売のタイミングは死刑執行から4ヶ月後。 筆者のスタンスはあくまで中立。麻原の所業ひとつひとつに肯定も否定も述べるものではなく、著者の想像による部分も極力抑えられているように思えた。 麻原彰晃という人物の概要を掴むには最適だろう。 ハッとさせられたのは「盲学校という閉ざされた世界のなかの智津夫の悲しみは、むしろ『目が見える』ということだったのでは」(p39)という指摘。 元々高い能力と自尊心を持ち合わせて盲学校という環境に送られたことで「いつでも容易に服従させることのできる」(p40)という体験がのちのオウム教団での振る舞いに繋がっていったのではなかろうか。 もちろん、国内初・未曾有の化学テロ事件を引き起こしたオウム真理教の暴走を理解するには当然、彼以外の要素も知る必要があるだろう。 単純な興味以上の関心を持って、引き続き資料に触れていきたい。 1刷 2021.11.7
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最近、司馬遼太郎の「世に棲む日々」と「最後の将軍」を読みました。 ここで思ったのは、「偉人は極端な思考の人が多いんだな」ということです。 特に「世に棲む日々」に登場する吉田松蔭や高杉晋作はクレイジー極まりないです(笑) 一方で、麻原彰晃も狂っています。 でも、既出の偉人とは本...
最近、司馬遼太郎の「世に棲む日々」と「最後の将軍」を読みました。 ここで思ったのは、「偉人は極端な思考の人が多いんだな」ということです。 特に「世に棲む日々」に登場する吉田松蔭や高杉晋作はクレイジー極まりないです(笑) 一方で、麻原彰晃も狂っています。 でも、既出の偉人とは本質的に異なる「狂い」があるように感じるのです。 その異なりは、「業」の炎に燃やされた炙られた麻原彰晃と、「業」を思想として昇華させた吉田松蔭といった感じでしょうか。 「承認欲求」や「権力欲求」または「自己顕示欲」などは、社会にいきる人間なら、誰でも少なからず持っているものです。 ただ、自身のキャパシティ以上にこの欲求を求めすぎると、「業」の炎に燃やされ闇に堕ちていく確率が高くなってしまいます。 「業」の炎に燃やされるか、「業」を昇華されるかは、「欲」を「意欲」に変えられるか?が大切なんだろうと思います。 そんなことを考えました。
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