![みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 文春文庫](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001914/0019141104LL.jpg)
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みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2018/10/06 |
JAN | 9784167911638 |
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みんな彗星を見ていた
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商品レビュー
5
5件のお客様レビュー
とても読み応えのある本だった。こういう体験ができるから、本を読むのはやめられない。 参照された膨大な資料と著者の並々ならぬ行動力もさることながら、そこから導き出される考察が深く、読みながら何度も胸を打たれた。名もなき人々の声に耳を傾けることは、本人たちが亡くなった後からでも十分可...
とても読み応えのある本だった。こういう体験ができるから、本を読むのはやめられない。 参照された膨大な資料と著者の並々ならぬ行動力もさることながら、そこから導き出される考察が深く、読みながら何度も胸を打たれた。名もなき人々の声に耳を傾けることは、本人たちが亡くなった後からでも十分可能だし、また長く語り継がれていくべきことなのだ。 大切なのは、忘れないこと。後ろめたい過去を「きれいな思い出」に書き換えないこと。「負の遺産」を美化せず受け止める心を多くの人が持つようになれば、過ちは繰り返されなくなると思う。
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天上遣欧使節の少年たちについての本かと思ったらもっと広い視野の本だった。家康のキリスト教への態度の変遷がとても腑に落ちた。
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1600年代前半のキリシタン弾圧についてのノンフィクション。対象へのアプローチの仕方が、なんというかファンっぽくてよい。例えば、天正遣欧使節団がリュートを引いたので自分もリュートを習うとか。ドニー・イェンにはまったぼくの友だちが、詠春拳を習おうとしているんだが、それに近いぞ。対象...
1600年代前半のキリシタン弾圧についてのノンフィクション。対象へのアプローチの仕方が、なんというかファンっぽくてよい。例えば、天正遣欧使節団がリュートを引いたので自分もリュートを習うとか。ドニー・イェンにはまったぼくの友だちが、詠春拳を習おうとしているんだが、それに近いぞ。対象を自分にひきつけて、身体や感情ごと捉えているんだよね。 著者が調査を進めていく中で、調査対象の人物や土地の歴史と感情が同調するさまがとても魅力的だ。解説ではこの本について「キリシタンを巡る感情の歴史を書いた本」というような記述があった。これは、見事な指摘だ。ファン的なアプローチだからこそ、できたのだと思う。最近、専門家以外が「歴史」を語りにくくなっている。「最新の研究を参照しろ」「専門の教育を受けていない人間が口を出すな」「エビデンスを出せ」というような圧がある。いままでそれらが軽んじられてきたことへの反動や歴史修正主義への対抗で仕方がない部分はあるが、窮屈であることは否めない。著者は文学的想像力によるジャンプで、このような窮屈さを軽々と飛び越えて、当時の「感情」を描き出してくれる。 それにしても、自分は九州に住んでいながら、あまりに長崎のキリシタンのことを知らないことに恥じた。カトリックの歴史を残すことへの情熱と比べて、ぼくも含めた日本人の歴史へのまなざしはあまりにも冷淡で、それは慰霊への無関心にもつながっているのだろう。
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