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フィフティ・ピープル となりの国のものがたり
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 亜紀書房 |
発売年月日 | 2018/09/28 |
JAN | 9784750515649 |
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フィフティ・ピープル
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商品レビュー
4.4
73件のお客様レビュー
作者であるチョン・セランが日本に来た時に渋谷のスクランブル交差点を上から眺めて、その行き交う様子にインスピレーションを得て、「主人公がいない小説」、「お互いがお互いの人生と交錯している様子を書きたい」と感じて生まれた作品。 「フィフティ・ピープル」とタイトルにあるが、実際には51...
作者であるチョン・セランが日本に来た時に渋谷のスクランブル交差点を上から眺めて、その行き交う様子にインスピレーションを得て、「主人公がいない小説」、「お互いがお互いの人生と交錯している様子を書きたい」と感じて生まれた作品。 「フィフティ・ピープル」とタイトルにあるが、実際には51人の名前が各章のタイトルになっている。 その名前の人物は子どもから老人まで、外国人も含め、男女や同性愛者も出てきて、ソウルからは離れた郊外?の大学病院や、映画館が入った商業施設がある街を舞台に短い物語が描かれる。 そういう意味では短編集と言えるが、読んでいるうちに、名前は語られないが、この章で描かれているこの人物の話は、前の章に出てきたこの人のことではないかとか、章と章が、人と人が、つながっている部分があることがわかってくる。 終わりの方の章で、まだ若い医師に老年の医師が語る。 「私たちの仕事は、石を遠くに投げやることだと考えてみましょうよ。 ソ先生はスタートラインから投げているわけではないんだよ。私の世代や、そして、私たちの中間の世代が投げた石が落ちた地点で、それを拾って投げているんです。 (中略) どんなに若い人にも、次の世代がいるのですから。しょせん私たちは飛び石なんです。だからやれるところまでだけ、やればいいんです。後悔しないように。」 作者は母国で2014年に起きたセウォル号沈没事件に大きなショックを受けたという。 事故の原因は規定の何倍もの重量となっている状態で出航したこと、それはそもそも船で運搬しているトラックの貨物の過積載が日常的に行われていたことなども原因となっていたそうだ。 過去から続く悪しき慣習など、韓国における社会問題を放置してきてしまった事が事故を招いたという悔恨の念が韓国の人たちの間では強いという。 この51人の物語の中ではセウォル号事件は描かれないが、物語の中で描かれる悲惨な事件や劣悪な職場環境であったり、世代間の軋轢、閉塞感を感じさせる出来事は韓国で起きた事件、事故を暗示しているものが多数あるそうだ。 しかし、そういう状況にありながらも、誰が投げ落としたかもわからない石を拾って、今より先へ投げようとする人と人との薄いながらも確かなつながりをチョン・セランさんは描きたかったのではないだろうか。 そういう意味ではこの物語は群像劇でもあり、この51人の中に、いやタイトルにはなっていないが、この物語の中に描かれた51プラス・アルファの人たちの中に、読者が自分を見つけて欲しいと思っているのだろう。
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覚えていないけれどすれ違ったかもしれない人達、その瞬間を偶然にも共にした人達、といつか一緒に踊れることを願っています
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途中、取り上げる人物多すぎ!と、中だるみ気味になったが、読後感は満足。しみじみ良い。人間賛歌。 医療関連が多めだが、韓国の地方都市?に生きる様々なバックグラウンドを持つ老若男女一人ひとりの日常の一コマを切り取ったショートショート集。 フィフティピープル。大人数だ。 だけどチョ...
途中、取り上げる人物多すぎ!と、中だるみ気味になったが、読後感は満足。しみじみ良い。人間賛歌。 医療関連が多めだが、韓国の地方都市?に生きる様々なバックグラウンドを持つ老若男女一人ひとりの日常の一コマを切り取ったショートショート集。 フィフティピープル。大人数だ。 だけどチョットずつ人々が繋がってて、パズルのような。 文体がいい。 各章の冒頭の導入がとてもうまくて、するっと読み始めることができる。 あとがきも面白い。 著者の「小さな告白」にニヤッとしちゃった。また再読したいぞ。
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