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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2018/09/28 |
JAN | 9784560096499 |
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商品レビュー
5
4件のお客様レビュー
初めて彼の『室温』を読んだとき、一目惚れならぬ一読惚れとはこのことかと思った。 次に『中二階』を読んで、彼は私の魂の片割れだと確信した。 このくらい私が偏愛しているニコルソン・ベイカーの新作。 順番的に後回しにしていたのですが、尊敬する書評ブロガーさんが絶賛していたので辛抱たまら...
初めて彼の『室温』を読んだとき、一目惚れならぬ一読惚れとはこのことかと思った。 次に『中二階』を読んで、彼は私の魂の片割れだと確信した。 このくらい私が偏愛しているニコルソン・ベイカーの新作。 順番的に後回しにしていたのですが、尊敬する書評ブロガーさんが絶賛していたので辛抱たまらず読んじゃった。 この本が実際に書かれたのは、まだ長編二作を発表したばかりの30年前。(日本で出版されたのは去年) きっかけはドナルド・バーセルミの訃報を聞いたこと。 敬愛するジョン・アップダイクがウラジミール・ナボコフの追悼記事を書いたことを思い出し、自分がアップダイクの追悼記事を書くとしたら…と、考えはじめる。 この時点でアップダイクは存命中。 不謹慎極まりない設定だけど、書いている内容がまた不謹慎。 ”彼が書くのは、アップダイクに対する自分の感情や、アップダイクが自分の人生に与えた影響なのだ。アップダイクへの尊敬や嫉妬を語り、彼を越えたいという野心を語り、書いたら怒られそうだという恐怖を語り、アップダイクが怒ったら眉毛の形がどう変わるかを語り、その怒り方がナボコフみたいだと語り…脱線が脱線を呼び、思考が細分化していく。(訳者あとがき)” 基本的にニコルソン・ベイカーの作品にストーリーはない。 あるのはシチュエーションと文体。 だから、この訳者あとがきがすべてと言える。 帯の文章がまた良い。 ”やってくれたよ、あの本は。 あんなの他にはないから。 あれって、尊敬してるってことだよね? ―ジョン・アップダイク” アップダイクは「わたしたちは他人に向けられた数多くの本のなかから、自分に向けられた一冊を見つけ出す。そこにわたしたちが読むのは、自分が聞きたい教訓なのである」と言う。 ニコルソン・ベイカーはこんなに敬愛しているアップダイクの本を、実はほとんど読んでいない。 ほぼ最後まで読んだ本は40作中たったの8作。 5ページも読んでいないと明言している本すら何冊もある。 けれど、アップダイクの一言一句をも読み漏らすことが大事なのではなく、その本質を受け取ることが大事なのだと言っている…のではないかな。 だから「記憶批評」(再読しないで記憶だけで批評する)や「読まず語り」(読んでいないのにさも読んだ風に語る)を駆使してアップダイクを語る。 9割がた勘違いで終わっているのは、多分計算だと思うんだけど…本気の可能性も捨てきれない。 本当にアップダイクのことを敬愛しているんだなあ。 いや、本当に好きなのは自分? と見せかけて、語られない部分からあふれてくるアップダイク愛? でも、ナボコフについてのほうがよほど正確に記述しているのでは? 大事なのは正確さではなく、愛だよね、やっぱり。 実際にアップダイクの訃報を聞いたとき「ただ悲しい」としか言えなかったらしい ニコルソン・ベイカーの語り口に翻弄されて、私の思考も行ったり来たり。 でも一つはっきりしたのは、まだニコルソン・ベイカーの著作を4作しか読んでいないけど、「偏愛してます」宣言したっていいってことだよね。 だって好きなんだもの。 最後の一行。 ”そしてこれがぼくの必要とする空想上の友情のすべてだ。” 一つ気になったのが著者近影。 今年62歳のニコルソン・ベイカーのはずが80歳くらいに見える。 いったい何があったのだ?彼の人生に。
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読めばわかるけど)眉毛!まず眉毛で掴まれてしまった。 小説じゃないニコルソン・ベイカーは初めてかもしれない。 アップダイクへの「読まず愛」が素晴らしい。注釈と図が素晴らしい。(「私のような者を会員として迎え入れるようなクラブに、いたくありません」てウッディ・アレンかと思っていた...
読めばわかるけど)眉毛!まず眉毛で掴まれてしまった。 小説じゃないニコルソン・ベイカーは初めてかもしれない。 アップダイクへの「読まず愛」が素晴らしい。注釈と図が素晴らしい。(「私のような者を会員として迎え入れるようなクラブに、いたくありません」てウッディ・アレンかと思っていたらグルーチョ・マルクスだったのか) 20 年以上も前のベイカーをなぜ今更?と思いながら読んでいたが、どんどん加熱していくベイカーの熱さに、途中からそんなことはどうでもよくなる。むしろその後を知っているからこそ面白いのかも。 訳者後書きも○
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
話はドナルド・バーセルミの死から始まるが、メインはジョン・アップダイク礼賛。ゆーてもこの人のこと、話はすぐあちこちに広がり、その割には深掘りにハマり、どうでもいい些細なこだわりに引っかかり、それでも小章の先頭で、律儀に仕切り直す。でまた帰ってきやしない、の繰り返し(笑) 編集者か訳者かが丁寧に脚注を入れてくれてるので、アメリカ人なら普通に知ってるんだろうと思われる、文中にサラッと出てくる「?」なことをいちいちググらなくて済むので、快調に楽しめた。
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