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中国はここにある 貧しき人々のむれ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2018/09/26 |
JAN | 9784622087212 |
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商品レビュー
4.8
6件のお客様レビュー
とても良い本だ。 中国の農村の近代化におけるジレンマが炙り出される。 作家による定性的調査の基づく論なので、わかりやすく説得力があり、無茶な結び付けもない。 しかし同じアジアだからか、もしくは日本文化は中国の影響を多分に受けているからか、登場人物がインタビューで語る思いは、アメリ...
とても良い本だ。 中国の農村の近代化におけるジレンマが炙り出される。 作家による定性的調査の基づく論なので、わかりやすく説得力があり、無茶な結び付けもない。 しかし同じアジアだからか、もしくは日本文化は中国の影響を多分に受けているからか、登場人物がインタビューで語る思いは、アメリカの文化や精神を語るものを読むよりも、すんなり理解できた。
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筆者が故郷である中国農村について描いたノンフィクション。数多くの親戚や同郷の人々にインタビューすることで構成されている。 原典の出版は10年以上前だが、急成長した中国が今なお抱える農村の課題が個々のストーリーを元に丁寧に描き出されている。
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農村に帰郷した文学者のノンフィクション作品。両親は出稼ぎのために都会へ行き、村には子どもと祖父母が残される。子どもたちは意欲や向上心を失いゲームや娯楽に没頭する。大人たちは麻雀に明け暮れて、少なくない人が精神を病んでいる。 しかしこの本は、そうした病理を分かりやすいモデルに...
農村に帰郷した文学者のノンフィクション作品。両親は出稼ぎのために都会へ行き、村には子どもと祖父母が残される。子どもたちは意欲や向上心を失いゲームや娯楽に没頭する。大人たちは麻雀に明け暮れて、少なくない人が精神を病んでいる。 しかしこの本は、そうした病理を分かりやすいモデルに当てはめて中国現代社会の病理を説明するわけではない。代わりに著者は、農村の人びとの自然な言葉にそれを語らせる。この言葉を著者はあえて抽象化しなかった。著者はそのことによって、この農村の病理が、人間一人ひとりから中国社会までを引き裂く深刻な問題であることをほのめかしている。しかもそれは、経済が発展してゆくほどに断絶と衰退が進むという逆説を含んでいる。 本書で描かれていることをあえて抽象化すれば、伝統的な社会関係が破断され、「文化的な雰囲気」が失われ、村が緩やかに死んでゆく姿だと言えるのかもしれない。枯れきった棗の木、養豚場と化した学校がそれを象徴的に物語る。けれど、こうした抽象的な表現よりも、本書を読んで、どこかもやもやとしたものを抱くことが、中国の難しさを理解する第一歩になるのかもしれない。 だからこそ、私はこの本のことをあれこれ書くよりも、まず読んでみてほしいと呼びかけたい。
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