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向かいの隣人【シングル母娘と兄嫁】 フランス書院文庫
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向かいの隣人【シングル母娘と兄嫁】 フランス書院文庫

香坂燈也(著者)

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向かいの隣人【シングル母娘と兄嫁】 フランス書院文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2018/09/25
JAN 9784829643228

向かいの隣人【シングル母娘と兄嫁】

¥440

商品レビュー

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2018/10/10

隣同士ならではの覗き覗かれは妙味があるも兄嫁の登場が好みを分けるか

昨今のシングルマザーは「未婚の母」と「離婚の母」が混在定義されるのでイマイチ分かりにくいのだが本作は後者である。夫はいないが未亡人でもないということであろう。そして本作では隣人同士の距離が絶妙である。タイトルの『向かい』で『隣人』はよく分からない表現だが、隣接したアパートの2階と...

昨今のシングルマザーは「未婚の母」と「離婚の母」が混在定義されるのでイマイチ分かりにくいのだが本作は後者である。夫はいないが未亡人でもないということであろう。そして本作では隣人同士の距離が絶妙である。タイトルの『向かい』で『隣人』はよく分からない表現だが、隣接したアパートの2階と3階にしたことでヒロイン宅を主人公が見下ろし、主人公宅をヒロイン達が見上げる構図となる。同じ階で目と鼻の先になるのを避け、視線も重ならないことから覗いたり覗かれたりができる設定には唸ってしまった。女の無防備を見下ろす主人公の下衆な男心と、主人公に恋い焦がれるヒロイン達が見上げながら想いを募らせていく演出が冴えており、他に出歯亀的演出にも活用されたりして、この設定は中盤まで見事に機能している。 蛇足ながら公式サイトには35歳とある母【智佐子】だが、一瞥したところ作中に年齢の表記は見当たらない。(1箇所のみ18歳とあるが)19歳の大学生主人公とは同年齢の娘【優樹菜】との年齢差からすれば倫理的には可能ながら中卒でもないため少々若過ぎると思われる。「20歳近く年上」との記述があることから38~39歳辺りが妥当ではなかろうか。サブヒロインの兄嫁【紗季】が28歳と明記されているは身内だから既知ということであろう。また、智佐子の前夫に至っては「15歳も年上」と「20歳近く離れた」といった微妙な齟齬が見られるため、年齢についてはやや不明瞭と言わねばなるまい。 なかなかの年の差恋物語から智佐子と結ばれ、その関係を知った優樹菜は先を越されたと積極的に迫る。ボーイッシュな優樹菜が精一杯のオンナを見せて主人公を虜にしようと努める姿は無理に淫らさを見せているようであり、破瓜を捧げて快楽を覚えたオンナの変わり身を見せているようでもあるが、主人公の憧憬は智佐子に向いているため切なさも醸される。対して大人の節度を見せる智佐子は基本的に主人公から迫られる場面が多くなり、このコントラストが母娘の好対照を示しているようにも写る。もう少し智佐子の場面が多くても良かったように感じたが、こうした母娘の交互官能は入念なドラマ性と相まって心地良く進む。しかし、中盤以降の紗季の登場は色合いを変えたように感じた。 塾の講師として1週間の研修期間に義弟たる主人公宅へ押しかけてきた紗季は講師らしからぬお色気たっぷりキャラ。とあるきっかけで弱みを握ったことからお姉さん気質も発揮して主人公を包囲していく。ただ、窮屈な実家を抜け出した解放感から刹那のオンナへの回帰を目論むも夫を裏切る気はないことからお尻中心の交合となり好みが分かれるかもしれない。智佐子と張り合う優樹菜を諭して仲介するでもない、やや中途半端な立ち位置も気になるところ。奥手な智佐子の背中を押す役割こそあったものの、正直なところ異質な後付け感が残った。最終的に紗季は唐突にフェードアウトしてしまうからである。 散々好き勝手に戯れながら(仕事に忙殺されたとはいえ)急に退場するのは紗季らしい奔放さかもしれないが、母娘の2人に特化していればよりシンプルかつスムーズに物語を進められただろうにといった読後感となった。悪くないのだがモアベターな策も講じられそうに感じるといったところか。

DSK

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