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明治銀座異変
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2018/09/14 |
JAN | 9784163908571 |
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
それほど期待せずに読んだが、意外と面白かった。 幕末の横浜、期せずして異国の商人を斬ってしまった浪人三人組。事件は未解決のまま明治16年の本編へ突入。 鉄道馬車の馭者が何者かに撃たれ殺される事件が発生。新聞記者の片桐と情報屋見習いの直、そして後の大山捨松が事件の真相に挑む。 分か...
それほど期待せずに読んだが、意外と面白かった。 幕末の横浜、期せずして異国の商人を斬ってしまった浪人三人組。事件は未解決のまま明治16年の本編へ突入。 鉄道馬車の馭者が何者かに撃たれ殺される事件が発生。新聞記者の片桐と情報屋見習いの直、そして後の大山捨松が事件の真相に挑む。 分かりやすい構図かと思っていたら、終盤になるにつれミステリアスな方向へ。 社会が激変した時代だけに登場人物たちの前身や人生ドラマも興味深く、こうした事件やドラマもたくさんあったのだろうなと思えた。 直が健気で素直で愛らしく、幸せになって欲しいと思いながら読んだ。
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明治時代、銀座の鉄道馬車の馭者狙撃をきっかけに、新聞記者たちが維新前夜の殺人事件の謎を追う。 混沌とした幕末や明治の新しい時代への期待感などの雰囲気がいいし、事件を追う三人のキャラも好感が持てる。事実が次々と明らかになってくる終盤はミステリとしてはスムーズすぎる気がするが、希望が...
明治時代、銀座の鉄道馬車の馭者狙撃をきっかけに、新聞記者たちが維新前夜の殺人事件の謎を追う。 混沌とした幕末や明治の新しい時代への期待感などの雰囲気がいいし、事件を追う三人のキャラも好感が持てる。事実が次々と明らかになってくる終盤はミステリとしてはスムーズすぎる気がするが、希望が持てる結末でよかった。 松本清張賞の受賞作も読んでみたい。
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大政奉還前年、開港地横浜の夜道で外国人居留地に住む英国商人が3人連れの武士に殺害された。犯人は闇に紛れ、ついに捕らわれることがなかった。 17年後、明治16年の初夏、銀座煉瓦街で鉄道馬車の馭者が狙撃され、「青い目の子・・・」という言葉を残して逝った。 開化日報社の敏腕記者・片桐と...
大政奉還前年、開港地横浜の夜道で外国人居留地に住む英国商人が3人連れの武士に殺害された。犯人は闇に紛れ、ついに捕らわれることがなかった。 17年後、明治16年の初夏、銀座煉瓦街で鉄道馬車の馭者が狙撃され、「青い目の子・・・」という言葉を残して逝った。 開化日報社の敏腕記者・片桐と記者志望の幼い相棒・直が、事件の真相を探るべく動き出すとき、歴史の渦に沈んだ17年前の事件が再び世間の耳目を集めることとなる・・・ 面白かった~! 人力車と馬車、長屋と煉瓦の家、着物と洋服など、この時代の混沌や、維新を経験した大人たちがそれぞれに抱えた鬱屈、そして新しい時代への期待感、そんな時代背景が軽妙なやり取りの中にうまく盛り込まれながら、ミステリー要素も失われない。読み進めるのが楽しくて仕方がなかった。 岩倉具視使節団として津田梅子らと共に米国留学したという実在の女性・山川捨松が片桐たちと共に真相究明に奔走するという、フィクションとノンフィクションが入り混じった設定もなかなか面白い。 会津藩士としてつらい過去を抱えながらも相棒の直に優しい目を向ける片桐、家庭の貧困から小学校にも行けず記者見習いとして働く直、日本語より英語が得意で変な日本語を話す捨松、イケメン人力車夫・久蔵、アウトロー的な警部補・藤原・・・登場人物が皆魅力的なのもいい。 狙撃事件の真相が少しづつ明らかになるにつれて、17年前の事件の影が濃くなっていく。 軽妙なタッチで描きながらも、時代を背景にした重い内容も盛り込まれ、終章での片桐の戊辰戦争への慟哭は胸を衝く。 個人的にこの時代背景が好きということを差し引いても、全体としてとてもバランスのいい作品でした。
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