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3.7
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スケールの大きな物語である。 なにしろ、五代将軍徳川綱吉を大奥で暗殺してしまうのだから。 史実では綱吉は麻疹で亡くなったことになっている。 「麻疹で死ぬのか」と思われるかもしれないが、当時は決して珍しいことではなかった。現在では予防接種の普及によって恐ろしい病気ではなくなったが...
スケールの大きな物語である。 なにしろ、五代将軍徳川綱吉を大奥で暗殺してしまうのだから。 史実では綱吉は麻疹で亡くなったことになっている。 「麻疹で死ぬのか」と思われるかもしれないが、当時は決して珍しいことではなかった。現在では予防接種の普及によって恐ろしい病気ではなくなったが、成人が罹患すると命に関わることも多かったのである。 しかし、綱吉暗殺の噂は当時から庶民の間に広く流布していた。綱吉が正室の鷹司信子と元来不仲であったこと、さらに綱吉の死後まもなく信子も亡くなったことなどが、そのような噂を生む背景となったらしい。 本書は、そうした巷の風聞に、さらに 赤穂事件を重ね合わせて物語を組み立てている。 綱吉に手をかけるのは、冬木清四郎という少年である。彼は吉良義央(吉良上野介)に仕える家人で、女装して大奥に潜り込むという大胆な行動に出る。 また、蔵人と咲弥の養女となる香也は、吉良上野介の孫娘という設定だ。 世間では吉良上野介といえば、極悪人の代名詞のように語られる。しかしそれは、松の廊下の刃傷事件に対する幕府の裁きが不公平であると感じた庶民の憤りの中で、次第に作り上げられていった人物像のようでもある。実際には、吉良を名君と評価する史料も残っている。 さて、本作の中心にあるのは、肥前小城藩の藩士・雨宮蔵人と、その妻咲弥との愛情物語である。だがそれだけではない。この物語を大作たらしめているのは、将軍綱吉と側用人柳沢吉保に対し、次期将軍徳川家宣と側近間部詮房が対峙する、幕府内部の権力闘争が緻密に描かれている点にある。
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いのちなりけりの三部作の最終作。 忠臣蔵で討ち入りされた後、吉良家の跡継ぎは田舎に流されて、病に倒れてしまう。 最後に吉良家の血を引く香也に会いたいという事で、香也を連れて吉良家に行くというところから始まります。 吉良家と大石家のなんとも言えない出会いがあったりします。...
いのちなりけりの三部作の最終作。 忠臣蔵で討ち入りされた後、吉良家の跡継ぎは田舎に流されて、病に倒れてしまう。 最後に吉良家の血を引く香也に会いたいという事で、香也を連れて吉良家に行くというところから始まります。 吉良家と大石家のなんとも言えない出会いがあったりします。 正徳の治を治めるためと言いますが、秘密を知った人を片っ端から殺そうとする政治に、正徳なんてあるのか?と。 お願いだから、これ以上、蔵人と咲夜夫婦を巻き込むな!と思いながら読みました。(なんでこの夫婦は色々と巻き込まれてしまうのだろう)
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色も香も 昔の濃さに 匂へども 植ゑけむ人の 影ぞ恋しき 前作からの続き 咲弥と蔵人に会えた。 そして、香也ちゃん。
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