黄泉の王は愛をささやく ライムブックス

エリザベス・ホイト(著者), 緒川久美子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 原書房
• 発売年月日: 2018/09/07
• JAN: 9784562065158

商品レビュー

2018/09/29

メイデン通りシリーズ第十二作（完結らしいのだが……）
訳あり公爵×未亡人（前作ヒーローの友人）

「完結」というふれこみにびっくりしつつ、買って読みました。
問題の悪徳団体「混沌の王 Loads of Chaos」に前作ヒーロー（カイル公爵）の新妻（アルフ）と間違われてさらわれ、輪姦されそうになったレディ・ジョーダン（アイリス・ダニエルズ）。
そんな危機一髪の彼女を、混沌の王に潜入していた現ダイモア公爵（ラファエル・ドゥ・シャルトル）が助けてくれたのだが……というお話。

まず「混沌の王」の連中が、動物などの被り物をして、素っ裸（ナニも丸出し）てのが、読み手としては滑稽なんですが
とにかく悪質ですよねえ。
一方、前作でも印象的だったラファエル（名前からして父方の先祖がノルマン系？）、父親のせいでとても気の毒で。
彼は父親を完全反面教師にしていて、子を持つことも拒んでいるのですが
そんな彼のような人は、父親とは違うと思いまして。高潔に思えました。
基本的にヒーローに共感していました、私。
私自身はシダーウッド好きなんですけど、彼が嫌がる気持ちも分かります。

ところでこのシリーズには未邦訳の10.5（インド人との混血とおぼしき美女、ヒッポリタ・ロイルの話）、12.5（孤児院出身のメアリー・ウィットサンの話）、10.7（ゴドリック・セントジョンの妹サラの話）があるので、いつかそれらをまとめて邦訳してくださったらうれしいです。