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読み書きは人の生き方をどう変えた? 歴史総合パートナーズ3
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読み書きは人の生き方をどう変えた? 歴史総合パートナーズ3

川村肇(著者)

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読み書きは人の生き方をどう変えた? 歴史総合パートナーズ3

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 清水書院
発売年月日 2018/08/23
JAN 9784389500863

読み書きは人の生き方をどう変えた?

¥605

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2023/02/26

本書は、日本人の識字能力の実態を、日記や著作物などの史料、統計の数字から明らかにしたものである。 日本人は、江戸時代から寺子屋が普及していて、世界的にも識字率が高かった、という言説は、よく言われる。しかし、庶民の識字能力は、都市部か農村部かといった地域差、男女のジェンダー差、身分...

本書は、日本人の識字能力の実態を、日記や著作物などの史料、統計の数字から明らかにしたものである。 日本人は、江戸時代から寺子屋が普及していて、世界的にも識字率が高かった、という言説は、よく言われる。しかし、庶民の識字能力は、都市部か農村部かといった地域差、男女のジェンダー差、身分差によって大きく異なっていて、決して高いわけではなかった。特に驚いたのは、貴族や武士階級でさえも、必ずしも高い識字能力を持っていたわけではなく、明治時代になってしばらくの間も、そうした識字格差は、大きく変わらなかったことだ。寺子屋神話は、自分も素朴に信じていたため、資料に裏付けられたそうした実態は、面白かった。 文字を読み書きができるようになったことで、農民や女性といった弱い立場の人が、嘆願書を書き、政治に対して意見を述べられるようになったという話は、印象に残った。考えを持つだけでなく、それを文字という形に残せることの意義の大きさをすごく感じた。エピローグで、ユネスコの「学習権宣言」が引用されて、文字を読み書きできるようになることが、あらゆる人間にとって、必要不可欠な基本的人権だという話は、江戸時代の歴史と合わせて説得力があった。 であるがゆえに、「読み書きができるがゆえに、フェイク・ニュースに踊らされて判断を誤ってしまうのです」という一文が、考えさせられる一文だった。 戦後GHQは、日本がファシズムに走った原因を識字率が低く、正しい情報を得られなかったことにあるのではないかと、はじめ予想したものの、そうした予想とは裏腹に、日本人の識字率の高さに驚いた、という話が取り上げられている。ただ、この話は、上の一文と合わせて考えると、戦前の日本人は、読み書きができたがゆえに、政府によって検閲され、統制されたマス・メディアの情報に踊らされたのだとも言えるだろう。 文字の読み書きは、その初めから、何がどのように書かれているのか、それは信用できるのかを考える力とともにつけるべき力だったのだろう。

Posted by ブクログ

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