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異セカイ系 講談社タイガ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2018/08/22 |
JAN | 9784065125557 |
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異セカイ系
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商品レビュー
3.3
22件のお客様レビュー
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誠実さや愛や祈りをテーマにした小説。 誠実さや愛や祈りはいつだって至上のエンターテイメントとなりうる。 メタ構造を用いており、『好き好き大好き超愛してる。』や『君と彼女と彼女の恋。』などとの類似性を感じる。 本作のメタ構造は、『好き好き大好き超愛してる。』の「世界間の差異を創作内...
誠実さや愛や祈りをテーマにした小説。 誠実さや愛や祈りはいつだって至上のエンターテイメントとなりうる。 メタ構造を用いており、『好き好き大好き超愛してる。』や『君と彼女と彼女の恋。』などとの類似性を感じる。 本作のメタ構造は、『好き好き大好き超愛してる。』の「世界間の差異を創作内で解体することを通して、創作と現実の差異をも解体し全ての存在は連続体であると示し、それによって自作内の"祈り"を世界全体に普遍化させようという試み」の踏襲で、でも『好き好き大好き超愛してる。』が既に言葉を使わないかたちで鮮やかにそれを完全に達成してしまっていて、本作は「作中世界の構造の解説」という言葉を使った説明によって再現しているわけで、言葉は悪いけどその点においては先行研究の展開というより戯画化しただけという印象があった。 一方で、『未来にキスを』の展開としては正当後継的で、未キスでは「自分の認識の枠組を参照する形でしか他者を捉えられない」という問題を「その"距離"こそが大切で、「知りえない」ことには祈りがあり、「知りえない」と知ってしまった新しい人類としての私たちの新しい愛の形だ」と結ぶ。本作では、それが双方向的であるという指摘を付け加えて「愛の対象が代替可能であるように、愛の主体も代替可能であり、それでも代替可能な者同士の間の"感情"は真実で、それならそもそも代替可能であるということは受け入れるべき悲しみでもなんでもなく、喜ぶべきものじゃね」と展開する。さらに、現実世界と創作世界の差異の脱構築と、恋愛の対象と恋愛の主体の脱構築をオーバーラップする形で話を広げていて、結果的に独我論的ながらも他者志向的な祈りになっていく。 一方で、ポリアモリーの観点からは、納得がいかない。わざわざ「ポリアモリー」というアイデンティティを直接的に使用したにも関わらず"誠実さ"という立場から明瞭なアンサーを出せなかったように思う。言及しない方が良かったと個人的には思う。
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素晴らしい。 勿体ないと思う点もなくはないが、これは大傑作。ハマらない人がいるっていうのも頭では分かるけど...いやハマらない奴なんておるんか? 開いたら分かる関西弁。読んでいくうちにどんどんクセになった。行間から滲み出る主人公の優しさに浸りながら、語りをそのまま聞いているかのようにグイグイ読んでいける。 「誰も出ぇへん。あたりまえか。平日の昼。」といった超短文(単語)の連鎖は不要な気もしたが、「ネット小説」という体裁を考えればリアルと言えるのかもしれない。 内容は、まず設定が面白い。小説世界に入り込む、という一見ベタな設定が、まさかあんなことになっていくとは。 作者への挑戦状、解決の創造といったミステリ好きに刺さる要素を取り込み、物語は深淵へと進んでいく。 『異セカイ系』によってこの「現実」が創られ、さらにその中で『異セカイ系』を作り/作らされ、その中に書いたことにより「現実」が改変されていく...だが、書くこと、それは創ると同時に、「書かない」領域をも生み出す。 その余白/自由意志が、リアルな存在となったキャラクターを作者がコントロールせざる部分となる。 さらにはこのメタ的な構造が、互いに作者兼登場人物となる平等な関係をつくり、また愛すか否かを相手に委ねることになる.......... あぁ頭おかしくなりそう笑。本当に凄まじい。 そのあとの、可能性それぞれの世界が存在していたら、というロジックにも仰天させられる。最後がややきれいごと臭くなるのは勿体ないが、もはやそれすら受け入れてしまう。 後出しの情報が多いというのは一つ欠点だが、前半の問題→解決を繰り返していく、畳み掛けていくような展開はスピーディーで素直に楽しい。 前例があるとかっていう話もあるみたいだが、まだSFはあまり読んでいないのでそれはわからない。セカイ系、なろう系などの言葉の意味すら分からない。そんな状態ではあったが、全く問題なかった。心を鷲掴みにされた。 最高だ。
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