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抱擁/この世でいちばん冴えたやりかた 小学館文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2018/08/07 |
JAN | 9784094065428 |
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抱擁/この世でいちばん冴えたやりかた
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商品レビュー
2.5
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『領主館の花嫁たち』を読んで以来、幽霊屋敷にとり憑かれてしまったみたいwで、つまり『抱擁』目当て。 辻原登は、以前『翔べ麒麟』と、たぶん『ジャスミン』も読んだはず。 ずいぶん前に読んだので内容はあまり憶えていないが、どちらも面白かったと記憶している。 ということで、この『抱擁』だが、文庫にするにあたって別の短編集と合わせなかった方がよかったような。 というのも、短編集の方に入ってから1つ目と2つ目の話が明治あたりの新作落語っぽくって。 そんなことを思いながら読んでいると、本当に落語家が出てくる話が出てきちゃうもんだから、先に読んだ『抱擁』の印象まで落語に変わっちゃうのだ。 落語だと思っちゃうと、『抱擁』で主人公の話を検事が素直にじっくり聞いてくれるところなんかまさに落語wだし。 最後だって、「サゲ」に変わってしまったような? ていうか、『抱擁』。冗談抜きで落語にしたら、かなり面白いんじゃないだろうか? 誰か、やってくれないかなぁー(笑) 『抱擁』と短編集を合わせなかった方がよかったと思うのには、後半(短編集)が「文芸」臭プンプンで辟易したというのもある(笑) 「約束よ」に出てくる“蝦蛄”という漢字とか、「河間女」の最後、“……私と妻のエンマにおきたことも当時の小説家によって書かれた”とある辺りとか。 そのすぐ前にある“暖簾”や“燗酒”にはふりがながあるのに、なんで“蝦蛄”にはないんだよ!w 小難しい漢字を読んでワー!キャー!やってるバラエティ番組に出てる芸人やタレントじゃあるまいし。 “蝦蛄”なんて漢字、普通の人からしたら鮨屋に行った時に「蝦蛄ってこういう字なんだねー」と話題にする程度の価値しかないと思う(笑) “エンマ”だって、そうだ。 今の日本で『ボヴァリー夫人』を読んだことがある人って、どのくらい?おそらく数%だと思うけど。 ま、今はネットですぐに調べられるから、その“当時の小説家によって書かれた”というのが『ボヴァリー夫人』だとわかるんだけどさ。 でも、『ボヴァリー夫人』を知っているのが当たり前のことのように書いてある、その嫌ったらしさってなんなのよ…w そんなわけで、すっかりイメージが悪くなっちゃった『抱擁』。 タイトルの「抱擁」が最後の“抱擁”を指しているのか?それとも、別のことなのか?その解釈で印象がまた違ってくるんだろうなぁー。 それこそ、最後の“抱擁”を指していると素直に読めば、主人公が憑かれていたということになるし。 最後の“抱擁”でない、あるいは穿った見方で読めば、緑子がたまたま名前を取り違えて言っただけ、という解釈だって出来る(というか、現実ではそういう偶然の妙が意外と多いのも確か)。 また、ゆきのを慕っていた緑子が、主人公に密かに“ゆきの”というあだ名をつけていたということだってあるだろう。 つまり、その辺りはまさに『ねじの回転』ということで。 なら、(幽霊屋敷ものとして読みたい自分としては)それっぽい思わせぶりの部分が少なくて物足りないと言うしかない! かなぁ…w それでも、『抱擁』だけだったら、★は3つというところ。でも、変な短編集がくっついているから、本としては★1つマイナス!w
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ずいぶん以前に読んで好きだった『遊動亭円木』の辻原さんを久しぶりに読んでみようかと。 ただ、私にとって辻原さんは当たり外れの大きな作家さん。で、これは「やや、外れ」という印象です。 合本と言うのでしょうか、中編『抱擁』と短編集『この世でいちばん冴えたやりかた』(旧題『約束よ』)が...
ずいぶん以前に読んで好きだった『遊動亭円木』の辻原さんを久しぶりに読んでみようかと。 ただ、私にとって辻原さんは当たり外れの大きな作家さん。で、これは「やや、外れ」という印象です。 合本と言うのでしょうか、中編『抱擁』と短編集『この世でいちばん冴えたやりかた』(旧題『約束よ』)が1冊にまとめられた文庫本です。どちらも”この世ならぬ”という雰囲気と匂い立つようなエロティシズムがあり、また、文章的にも流石と思わせるのですが、ストーリーが私に合わないのでしょうね。 ちなみに『抱擁』はヘンリー・ジェームスの『ぬじの回転』のパスティーシュ作品。二・二六事件を背景に侯爵邸の小間使いと5歳の令嬢・緑子の異様な事件を描いたものですが、何せ本家の『ぬじの回転』を未読なもので、どうパスティーシュされているのか判りません。 『この世でいちばん冴えたやりかた』には『遊動亭円木』のサイドストーリが3作と、若き日に中国貿易に携わった辻原さんの経験を生かした、ちょっと中島敦を思わせる(ずっとエロティックですが)中国の奇譚3作が収録されています。
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単行本が出た時から気になっていて、何となく文庫落ちを待っていたのだが、文庫になるまで長かった……。 表題作『抱擁』はヘンリー・ジェイムズの名作『ねじの回転』のパスティーシュだという。確かに概ね『ねじの回転』のエッセンスが凝縮されているが、ラストはかなり違っているような……。合本さ...
単行本が出た時から気になっていて、何となく文庫落ちを待っていたのだが、文庫になるまで長かった……。 表題作『抱擁』はヘンリー・ジェイムズの名作『ねじの回転』のパスティーシュだという。確かに概ね『ねじの回転』のエッセンスが凝縮されているが、ラストはかなり違っているような……。合本された『この世でいちばん冴えたやりかた』も含め、辻原登の作風って物凄く幅広い。
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