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AIに負けない「教育」 認知科学のフロンティア
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AIに負けない「教育」 認知科学のフロンティア

渡部信一(著者)

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AIに負けない「教育」 認知科学のフロンティア

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 大修館書店
発売年月日 2018/07/01
JAN 9784469213706

AIに負けない「教育」

¥220

商品レビュー

3

6件のお客様レビュー

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2024/07/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

人工知能が人間を凌駕するなら、教育って必要? 人工知能の「フレーム問題」から教育における「主体的な学習」に注目して、自律的に学習する人工知能について(ビッグデータを用いた機械学習)説明しながら、人間の学習(または教育)について述べた本。 学習者の主体性を、と言いながら、評価されるのは教師の想定内のみ。それでは何が主体性なのか。しかし教師側に言わせれば望ましい方向性はあるわけで。本当に測られるべきなのは見えないコンピテンシーだけど、パフォーマンスとして表出しないと評価できない矛盾もある。コンピテンシーを客観的な数値として出すのは難しい。学習のコントロールを完全にはしない、と考えると、ゴールを示すことはまず大前提だけど、評価の設計が難しいと思った。あと教師や保護者の教育への意識があるから、ソフトランディングできる移行の方法。 パフォーマンスとして将棋が強い、でもコンピテンシーというか出てくる過程が謎、というのが人工知能の怖さなのかな、と思った。ある意味、人間でいうなら「天才」とか悪くは「サイコパス」と呼ばれるような思考の過程が理解できない存在として。 座談会ではロボット(人工知能)が人類を支配するには教育を乗っ取ることが一番効果的と言われていたが、昔から大人数を支配するには教育を手中に収めるのがセオリーである。教育はどのような人間を育てたいか(必要か)が表れる部分であり、社会の価値観が反映される。人工知能をパートナーとして生きていく未来を思うなら、人工知能を理解して使いこなせる人間を育てる必要があるわけで、その能力の定義と育て方を考えないといけない。

Posted by ブクログ

2019/09/03

ある意味でこの著者の回顧録というか研究史というか。特に各章末のケーススタディは個人ブログ的な印象を持ちます。この本のタイトルに対する綿密な提案や方法論が呈示されているわけではありません。 以前から,人工知能の知見と対比させながら教育を問うスタイルであることは存じ上げていて,非常...

ある意味でこの著者の回顧録というか研究史というか。特に各章末のケーススタディは個人ブログ的な印象を持ちます。この本のタイトルに対する綿密な提案や方法論が呈示されているわけではありません。 以前から,人工知能の知見と対比させながら教育を問うスタイルであることは存じ上げていて,非常に興味深いと思います。 ただ,一応以下に引用しましたが,チューリングテストと中国語の部屋で問われていることを母語に適用すると,「我々は本当に日本語を理解した上で使っているのか?」という問いが生まれます。果たして「メッチャ理解している」と明言できる日本人はどれくらいいるのでしょうか? パフォームできるようになってから,年をとってようやく「意味づけ」ができるようになることだってあるのですから,教育でどうこうというのは,高尚に過ぎるのではないかとも感じます。 また,教師なし学習によってAI開発者すらAIがどのように学習しているのか分からなくなったという事実から,「主体的な学び」を実現させるためにどのように学習者に働きかけるかを問う。疑問の持ち方としては分かるけど,これも「AIと学習者」,あるいは「AI開発者と教育者」を同列に置くことができるのだろうか? 「問題の解き方」ではなく「問いと答えのセット」を提示する方法が重要だと言うけれど,それが可能なのは「答えがある」という条件付きであるだけでなく, \int_1^5 xdx = 12 \int_3^6 x^2 dx = 63 など問題と答えを羅列してもどうにもならない領域もある(「解き方を学習者自らが発見するのを待つ」ことなど不可能だろう)。 この本で論じようとしている「教育」の対象がはっきりしません。著者の専門だからでしょうが,自閉症児の例が登場するので特別支援教育なのかもしれません。「フレーム」の設定がしにくい本ということになるでしょうか。 この本で初めて知ったのは,MOOC (Massive Open Online Courses) というもので,受講料が無料の講座だけど,学習者の個人データをビジネスデータとして利用し,優秀な学生を探し出し,提携している企業に紹介するという展開がなされているということ。優秀なヤツは,自分で学ぶときのプロセスを見れば分かるということでしょうね。確かに入社試験はいらなくなるかも。 *****  このような「チューリングテスト」と「中国語の部屋」の研究は,人間の「知」や「(知的)能力」を考えるとき,非常に示唆的である。つまり,教育現場ではこれまで「見える能力(パフォーマンス)」を中心にして評価を行い教育してきた。しかし,これらの古典研究が示唆しているのは,その基礎にある「見えない能力」あるいは「見えにくい能力」の重要性である (渡辺 二〇一七)。つまり,「翻訳を専門にするエキスパートシステム」が「本質的には中国語を理解しているわけではない」にもかかわらず表面的には「中国語が使える」と判断されてしまうという事実であり,これは現在の「教育」に対しても大きな示唆を含んでいる。  大切なことは「本当に中国語を理解していること」であり,「人工知能」の開発に携わってきた研究者が目標としたのも「本当に知識を理解した上で中国語を使える人工知能」であった。これまでの「教育」は,「本当に知識を理解した上でその知識を使える子ども」を育成してきたと言えるだろうか? (p.113)

Posted by ブクログ

2019/08/07

 AIの歴史と現状も学べる。人の教育とAIの進歩をリンクさせつつ、人とAIとの違いを明らかにして、著者のこれからの教育論の概要をわかりやすく示す好著。注が巻末で、本文ページ数なしで羅列されているのは、不便。

Posted by ブクログ

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