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あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2018/07/28 |
JAN | 9784101210520 |
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あの戦争から遠く離れて
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あの戦争から遠く離れて
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商品レビュー
4.8
6件のお客様レビュー
心が大きく揺さぶられる深く、重く、悲しく、でも温かく、優しい素晴らしい作品でした。 満州で家族と生き別れ戦争孤児となった著者の父親の半生を著書が中国留学の経験を通して、知り、感じ、中国の義理の家族との絆も深めていきます。 著書の父・城戸幹さんは日本の国としての残留...
心が大きく揺さぶられる深く、重く、悲しく、でも温かく、優しい素晴らしい作品でした。 満州で家族と生き別れ戦争孤児となった著者の父親の半生を著書が中国留学の経験を通して、知り、感じ、中国の義理の家族との絆も深めていきます。 著書の父・城戸幹さんは日本の国としての残留孤児の帰国が始まる前、日中国交正常化前に、ものすごい苦労と困難を乗り越えて自力で両親を探し、帰国されました。 戦争によって筆舌に尽くし難い苦難があり、同時に城戸幹さんを心から大切に育ててくださった中国のお義母さん、親戚、支えてくれた友人たちがいて、その全てに心打たれます。 著書が留学中に父親がかつていた町を訪れ友人たちに会い、「文革のとき、日本人と一緒にいて、怖くなかったんですか?」と尋ねた時、「怖くなんかあるもんか。友達は友達じゃ。民族が違おうと、心は通じているんだ」と答えた父親の友人の言葉。 日本に帰国が決まり育ての義母と別れる時、別れ難くお互い泣き続けながらも「行きなさい」と言った育ての義母の言葉。 忘れられません。 そして、著書の温かく柔らかい文章が心に染み込みました。
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23.11.4(土)ジュンク堂「書店員がいま一番売りたい本2023」で見かけ、図書館で予約、23.11.9借りた。残留孤児として中国人養父母に育てられたけど、「日本鬼子(リーベングイズ)と蔑まれた。こんな話は山ほどあっただろう。中国人養父母の愛情の深さに感動。養母は、日本人が満州...
23.11.4(土)ジュンク堂「書店員がいま一番売りたい本2023」で見かけ、図書館で予約、23.11.9借りた。残留孤児として中国人養父母に育てられたけど、「日本鬼子(リーベングイズ)と蔑まれた。こんな話は山ほどあっただろう。中国人養父母の愛情の深さに感動。養母は、日本人が満州から逃げる途中、橋の上から川へ子供を投げ捨てる姿に愕然としたそうだ。そんなこともあったんだ、、、どんな気持ちで投げ捨てたのか、計り知れない。 養母との別れのシーンは泣けた、、、 23.11.13読了。569ページだけど、一気に読めた。残留孤児のニュースは何となく覚えてるけど、今まであまり詳しく知ることはなかった。そういう意味でもこの本に出会えて本当に良かった。
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筆者は、本書の最終章の最後の部分で、この本の物語を総括して、下記のように書いている。 【引用】 昔、日本が負けた大きな戦争があり、牡丹江を渡ってやってきた一人の日本人が、中国人の夫婦にもらわれて、成長し、本当の両親のもとへ帰っていった物語は、いまでも、あの小さな村で、伝説のように...
筆者は、本書の最終章の最後の部分で、この本の物語を総括して、下記のように書いている。 【引用】 昔、日本が負けた大きな戦争があり、牡丹江を渡ってやってきた一人の日本人が、中国人の夫婦にもらわれて、成長し、本当の両親のもとへ帰っていった物語は、いまでも、あの小さな村で、伝説のように語り継がれている。 そんな父の娘に生まれたことを、いま、私は心から誇らしく思う。 【引用終わり】 筆者の祖父は太平洋戦争時、満州での軍人であった。祖父の子供、すなわち、筆者の父がまだ幼い頃に戦争は終わり、日本は負けた。満州にはソ連軍が攻め込んできて、かの地の日本人はとても苦労をした。筆者の祖父もシベリア抑留を余儀なくされた。日本人であるだけで危険な状況の中、筆者の父親は親と離れて中国人にあずけられる。幸いに、養母にひきとられ貧しいながらも教育を受けながら育つ。この頃、筆者の祖父母は、それぞれ、日本に帰国することが出来、愛媛県の八幡浜で新しい暮らしを始める。 本書は、筆者の父親が中国で養母のもと、どのように育ったのか、そして、残留孤児の先駆けとして、日本にどのように戻り、日本でどのように暮らしたのかを記録したノンフィクションである。筆者自身も中国の、昔の満州地方の大学に留学し、中国語を習うとともに、父親を育ててくれた親族との交流を深める。 戦後間もない時期の満州での日本人は大変な思いをしたし、また、筆者の父親は、中国の戦後の、例えば、大躍進運動や文化大革命といった混乱の中を生き抜いた。そのように、一人の日本人の子供が中国で育ち、日本に帰国し、日本人と結婚し、筆者のような子供をもち、その子が、一家の物語をノンフィクションにまとめる、というのは、それ自体が一つの奇跡であると感じた。 こういった奇跡の物語に対しての、日本という国の対応に、筆者は、また、多くの関係者は深い不満を抱えている。 【引用】 軍人として「お国」のために戦い、シベリア抑留までされながら、帰国後は長い間日本の軍人としては扱われなかった祖父と、中国に残された日本人としてその半生を中国で生き、帰国後は次第に国への不信感を募らせていった父。戦争が生んだ悲劇、という言葉で片付けるにはあまりに重い現実だった。そして、その二人の人生があったからこと、私は、いま此処にいる。 【引用終わり】 そういう意味では、本書の題名は「あの戦争から遠く離れて」であるが、実際には「遠く離れて」はいない。本来、「あの戦争」の落とし前をつけるべきであった国に代わって、生き抜いてきた人たちの物語である。
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