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パンセ 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2018/07/01 |
JAN | 9784122066212 |
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商品レビュー
4.5
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「私は、人間をほめると決めた人たちも、人間を非難すると決めた人たちも、気を紛らすと決めた人たちも、みな等しく非難する。私には、呻きつつ求める人たちしか是認できない。」(287) ――― フランスの哲学者・数学者であるブレーズ・パスカルの遺稿集。パスカルが執筆を構想していた、キ...
「私は、人間をほめると決めた人たちも、人間を非難すると決めた人たちも、気を紛らすと決めた人たちも、みな等しく非難する。私には、呻きつつ求める人たちしか是認できない。」(287) ――― フランスの哲学者・数学者であるブレーズ・パスカルの遺稿集。パスカルが執筆を構想していた、キリスト教弁証論の下書きや覚書が作者の死後に編纂・出版されたもの。出版の背景・改版の経緯については、本書の解説で紹介されている。1,000近い断章が、記述の時系列順ではなく、関連する主題ごとにまとめられているため、自分のような一般読者でも読みやすい。小林秀雄のパンセについてのエッセイも収録されていて、こちらも読み応えがあった。 人間が人間である限り、どんなに時代が下っても、パスカルの真摯で明晰な批判的思考は読者を突き刺すことだろう。 結局のところ、人間は惨めであり、存在と虚無の中間で宙ぶらりん、自分にも他者に対しても誤りと偽りだらけ、いくら幸福に焦がれても、幸福になる準備にばかり現在を浪費する、いずれ死にゆくものでしか無い。有限をいくら積み上げようとも、無限の前では無に等しい。 だが、それを知ることができること、そこから考えることができることこそが、人間の尊さだとパスカルは言うのだ。宇宙が、ひと茎の葦である人間のことを知りもしないということを、知りもしないままに一滴の水で人を滅ぼすことができるということを、人間は知ることができる、考えることができる。考えたからといって、人間が滅ぼされないことは不可能なのだが、それでも尚、そのことを考えることができるのだ。それは宇宙にはできないことなのだ。 後半が直接的な(聖書の色々な箇所を引用するような)キリスト教弁証論のため、馴染みがないと少し面食らうが、それらの部分を、他の方が感想で書いているように「(パスカルの)思考の放棄とも言える宗教への帰依」、と捉えるのはいささか違うのではないかと思う。 むしろ、自身の信仰について突き詰めて(つまりは懐疑的にも)考えたからこそ、パスカルは彼自身の「賭け」としてキリスト教を弁証しようとしたのではないか。「宗教=思考の放棄」と安易に捉えることこそ思考の放棄であり、宗教を信仰していようがしていまいが、現実として思考放棄しているひとは珍しくもなく、いずれにせよパスカルはその様な人びとを是認はしないだろう。 ただ我々は、信仰に「賭け」ないのだとしても、各々が何かに賭けるしかないというだけの話である。どんなに突き詰めても、どんなに磨いても、パスカルのような稀代の天才であっても、思考の、もっというと人間の及ばない領域については「賭け」るしかない。賭けないことこそが「正しいこと」なのであるが、人間として生まれた以上、パスカルが言うように、「君はもう船に乗り込んでしまっているのだ」(177)から、誤った人間として賭けるしかないのだ(生まれてこなかったのだとすれば、賭けないことが可能であったのかもしれないが…)。そして、考えることのないまま、「考えない」ということに賭けるよりは、出来得る限り考え続けた上で、何かに賭けたいものである。
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全14章のうち、人間についての考察は前半の第6章までで、後半はキリスト教の弁証論である。 ほとんど箴言集のような体裁のため、短文はその意味するところが不明な部分もあるが、ある程度のまとまった文章はそれなりに理解できる。
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人間は葦である∶正しく考えることが人間の価値・義務のすべて(考えているから偉い、ではない) あるべき姿、生き方を考える 父親の人生をかけた教育を受け、パスカルの定理、パスカルの原理、大気圧パスカルという単位を生み出した キリスト教徒であり、心で感じるものという思想 17世紀の大...
人間は葦である∶正しく考えることが人間の価値・義務のすべて(考えているから偉い、ではない) あるべき姿、生き方を考える 父親の人生をかけた教育を受け、パスカルの定理、パスカルの原理、大気圧パスカルという単位を生み出した キリスト教徒であり、心で感じるものという思想 17世紀の大科学革命∶信仰から心が離れていく時代 →キリスト教徒の正当性をわからせたい 未完に終わった書き残し、思索が集まったもの 自己実現したのに満足がない 不幸を生み出すものの正体∶孤独と退屈∶余計なことを考え不幸になる 対抗手段として気晴らしが必要(没頭すること)∶目をそらし内省を忘れさせる副作用もある →神へいざなう 最大の悪徳は自己愛(自分だけを愛し、自分だけを尊敬する)である。自己愛は自我から生まれるもので、誰しも持っている。 自我∶自分をすべての物事の中心にしようとする、他人を従わせようとする性質をもつ∶他人から不快 →自我を押さえ、他人を思う、根本は自我 損なうものを破壊しようとする。欠点を認めない 認められたいのは人間の消し難い性質、性
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