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海賊島の殺人 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2018/07/12 |
JAN | 9784488437121 |
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海賊島の殺人
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商品レビュー
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3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
海洋冒険小説と推理小説の要素を合わせたエンタメ小説。 海賊が主人公となるわけだが、多島斗志之さんの海賊モア船長シリーズのように、海賊が商船を襲ったりというようなシーンはほとんどない。 ただ、キャラクター、雰囲気、そしてロマンという点では申し分ない。 そして推理小説要素の方はどうかというと、帯やタイトルからは"本格"という雰囲気が漂っているが、本格推理ではない。 連続殺人の犯人はアッサリと特定され、主となるのは「謀略」。 誘拐され、幻影島の宝を処分することがバロウズの計略だった、というのはとても驚いた。 また、首を持ち帰るためにジーナの酒甕を盗んだというのもしっかり納得。 ...が、こういう風に書くとどうも中途半端などっちつかずな作品に見えてしまう。 しかし実際はそうではなく、解説の宇多川さんの 「大胆不敵な構成に見えて、じつはふたつのジャンルの魅力をもっとも引き出すために考え抜かれ、繊細極まりないバランスで創造された物語」 という評が見事に当てはまっている。
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表紙が気持ち悪かったり、登場人物がカタカナだったので期待しないで読み進めましたが、だんだんと物語に引き込まれていきました。 魅力的なキャラクターが多く、冒険とミステリのバランスも良かったと思います。 ただ表紙が残念。
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○ 総合評価 ★★☆☆☆ 〇 サプライズ ★☆☆☆☆ 〇 熱中度 ★★★☆☆ 〇 インパクト ★★☆☆☆ 〇 キャラクター★★★☆☆ 〇 読後感 ★★★☆☆ 前半は海賊の黄金時代の冒険ロマンを描いた冒険小説。後半(全体386ページの小説の199ページ目)で,一人目の死体が登場。そこからは本格ミステリとして描かれる。 大きな筋書きとしては,かつて,海賊対峙で大きな功績を上げた「レイモンド・バロウズ卿」という王室海軍提督が,アルバート・リスターという海賊連合「南十字星」の首魁に誘拐されるところから始まる。 プロローグでは,アルバート・リスターと共に南十字星を構成している海賊の船長である,チャールズ・グレンヴィル,ジーナ・ウェンライト,バラクーダ(サキ),リック・カーティスといった船長についての紹介がされる。 前半部分は,バロウズ卿を救出するために,南十字星にスパイとして入り込むため,アラン・クリフォードという海軍大尉がバート・ウイリアムズ(伝説の海賊,ハンク・ウイリアムズの子どもという設定)として海賊に扮するシーンが描かれる。バートはダニエル・ソープという元役者の協力を得て,見事に海賊になりすます。エドモンドというハンク・ウイリアムズの元腹心の紹介で,ハンクのお宝が眠るという幻影島に向かう。幻影島にち被くための謎をといてハンクの宝を見付けたところで,アルバート・リスターが登場。バートも南十字星に入るように言われる。 リスターは,バロウズに対し,バロウズが幻影島に隠したハンク・ウイリアムズの宝を南十字星が受けとり,バロウズは南十字星を討伐したとして凱旋し,英雄に返り咲く。バロウズはこの取引を受ける。バートとソープはスパイであることをばらされ,牢に入れられる。翌朝,アルバート・リスターの死体が見つかる。 バートとソープは,リスターの遺言(遺書)により,リスターが殺された事件の捜査をすることになる。ここから本格ミステリとして描かれる。次にグレンヴィルの死体(生首)が見つかる。バートとソープの捜査が続けられる。キャニングというリスターの腹心が「犯人」と思われるものを傷つけていることに基づいた捜査や,ライオネルというグレンヴィルの部下がバートを疑うというシーンが描かれる。そして,バラクーダの死体が見つかる。続いて,カーティスがキャニングに殺害される。 真相。リスターを皮切りに船長達を次々に殺害していたのはキャニング。キャニングはバートと同じ,スパイだった。ハンク・ウイリアムズの財宝はすり替えられ,中には火薬が詰まっていた。リスター,グレンヴィルの墓を掘り起こすとリスターの首がなかった。バートは一連の事件の黒幕がバロウズ卿だと気付く。 バロウズは海賊に自分を誘拐させていた。キャニングはバロウズの命を受け,言葉巧みにリスターが計画を考え付くように誘導していた。バロウズの政敵であるクロンドン郷は,バロウズが幻影島に隠した宝の存在に気付いた。バロウズはクロンドン卿に見つかる前に幻影島 の財宝を処分する必要があった。バートは,バロウズの腹心であるジョージ・マクミラン卿がキャニングを買収するのに一役買っていたのだと推理する。最後はバロウズの命でバートを殺害しに来たキャニングとバートの対決。マッシュの懐中時計によって命を救われ,チャクラム投げたことでバートがキャニングを殺害する。 最後は海賊島に残されたハンクの宝を巡り,バロウズ対バート,ジーナ,ライオネル,マーカス達との対決を示唆するエピローグで終わる。 小説としてはすっきりしている。登場人物が比較的多めだが,サービス精神が旺盛になり過ぎていない。欠点はミステリとしての弱さ。バロウズが黒幕というラスト意外性がない。それ以外ないだろうという分かりやすい筋書き。キャニングが実行犯というのも,これといったミスディレクションがないので,意外性を感じない。そもそも,リスター,グレンヴィル,バラクーダ,カーティスの殺害にトリックらしいトリックはない。探偵役のバートとソープが捜査をするが,ミステリとしてはそもそもこれといった魅力的な謎がない。ちょっとした伏線回収がある程度。ミステリとして弱すぎるために,いっそ,海賊モノのエンターテイメント小説として読めば…と思うが,作者はこれを本格ミステリとして書いているので,海賊モノのエンターテイメントとしてはきっちり終わっていない。この点でも物足りなさを感じる。 作者の話の運び方が上手いので,詠みやすい。それだけにもう少し練り込んでほしかった。とはいえ,ミステリとしては弱い。もっと冒険小説寄りにしてミステリは味付け程度にすべきだった小説だろう。評価としては,★2かな。
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