
- 中古
- 書籍
- 書籍
- 1221-05-02
赤い風

定価 ¥1,980
550円 定価より1,430円(72%)おトク
獲得ポイント5P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2018/07/12 |
JAN | 9784163908663 |
- 書籍
- 書籍
赤い風
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
赤い風
¥550
在庫なし
商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
江戸時代に柳沢吉保が、領地である川越藩内で行った三富新田の開拓の模様を描いた歴史小説。水を引けず風の強い厳しい条件下、武士と百姓が力を合わせて開墾していった模様は感動的だが、悪人を懲らしめるところは話が出来過ぎの感あり。 「(柳沢吉保から奉行への挨拶後)恐ろしい御仁よ。一切不服...
江戸時代に柳沢吉保が、領地である川越藩内で行った三富新田の開拓の模様を描いた歴史小説。水を引けず風の強い厳しい条件下、武士と百姓が力を合わせて開墾していった模様は感動的だが、悪人を懲らしめるところは話が出来過ぎの感あり。 「(柳沢吉保から奉行への挨拶後)恐ろしい御仁よ。一切不服は申し上げませぬ、だと。つまりは不服に感じるような裁許を下すなということではないか」p49 「とんでもないことでございます。上さまのお引き立てで大名の末席に身を置くようになりましたが、未だ殻の取れぬ雛同然。これから、これからでございます」p86 「政にいたっては、なんの努力もせず、学びもせず、家柄を頼り、先祖代々を鼻に掛け、それが確実なものと勘違いをする輩がいかに多いことか。確かなものなどこの世にはない。世の道理を知り、才知を磨くことがなにより肝心、と荻生徂徠は啓太郎を諭すように言った」p263
Posted by
柳沢吉保の治める川越藩の秣場での百姓間の争いを無くし開墾をする過程での,武士と百姓双方の立場を超えて連帯感が芽生えてくる様子が生き生きと描かれている.どうしようもない奴もいるが,百姓の正蔵や家老の嫡子啓太郎などいい男になっていく.ただ,最後の数ページはいらなかったと思う.
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「武蔵野」を題材にした作品で、史実を面白く学べたのは良かった。 元禄7年(1694年)に、長年近隣で諍いが絶えなかった土地が幕府評定所の判断で川越藩領地と定められ、当時の藩主柳沢保明(のちの吉保)が新田開発を推進し、地元の筆頭家老曽根権太夫ら家臣、農民共々開発に挑む2年の日々を中心に描かれる「三富新田」誕生秘話的なお話。 玉川上水から水を引くことを画策したり、地名が「立野」だったりするので、わが町と北の辺境の地の間の緩衝地帯である”立野町”あたりの話かと思ったら、もう少し北、入間~所沢界隈、今の三芳あたりのことらしい。 中国は宋の時代の農地開拓に学んだという、農地を短冊形に区分けし、居留地、農地、その先に雑木林を設け、雑木林の落ち葉を利用し堆肥を育て農地の土壌改良を行い、雑木林は薪などの燃料、萱の材料などの利用にも充てる、個々の農地内での自然循環を生み出す方法だそうだ。 わが町の細長い区分けも、その手法に則ったものだろう。この三富新田のノウハウが利用されたのかと思ったが、K村への入植は時期的には少し前か、ほぼ同時期(1657年明暦の大火後、1660~1700頃の村の成立、農地開墾)。要は、当時はやりの手法だったということなのかもしれない。 そんな時代背景は面白いのだが、物語構成が、いただけない。 主人公格の家老嫡男啓太郎と百姓側の正蔵の両輪で描く身分を越えた友情の物語にしようとした点は良し。そこに絡む、元は良家の出に違いないおそでのお姫様的存在も良し。博徒たちの暗躍、生類憐みの令を逆手に取った野犬による役人殺害やら、開拓村に忍び寄る悪の手もいい緊張感を生んでいる。悪人たちの中に、かつて正蔵の父を殺めた男がいるなどの世代を越えた仇討物語なども大河ドラマ的プロットでいい。 が、これらの出し方、絡めかた、伏線の張り方、構成力、表現力不足なのか、素材はいいのに響いてこない。 むしろ、終盤の唐突な赤穂浪士のエピソードの挿入で、新田開発から焦点がボケでしまい、終盤のエピローグの話までもが、煩わしく感じてしまう。 新聞連載(埼玉新聞)のままなら、蛇足に継ぐ蛇足も止む無しだが、書籍化にあたり改訂はなかったものか?! と思ってあとづけを見てみると、よくある「・・・に連載していたものに大幅に加筆訂正を加え・・・」という文言がない!? そのまま、なのかっ!? 文庫化の折には、是非、改めて欲しいものだ。 エピローグの新田開発から60年後の話は、冒頭にだろう(中島京子か朝井まかて的だが)。荻生徂徠の突然の登場も、なんとかして欲しいし、きっちり正蔵が仇討ちした感が持てるような大団円として欲しい。赤穂浪士は絡めなくても良いのでは? シロート目にも、稚拙な構成が気になる作品だった。素材はいいのに、もったいない。
Posted by