イノベーションの壁 なぜ多くのアイデアが世に出ることなく消えていくのか

村山誠哉(著者), 大屋雄(著者)

• 販売会社／発売会社: クロスメディア・パブリッシング/インプレス
• 発売年月日: 2018/06/29
• JAN: 9784295401957

商品レビュー

2019/11/16

ユーザーの要求をどのようにして抽出するかに最近興味がある。マーケティングなのか、システム要件定義なのか、ヒアリングなのか、適切な領域を見極めることができずあれこれ読み漁っている。
本書はその点では要求を整理できる。

■顧客は新しい価値を想像できない
ヘンリーフォード曰く、「もし顧客に望むものを聞いていたら、彼らはもっと速い馬が欲しいと答えていただろう」

→故に、新しいものを生み出すには要求を抽出し、実現する2ステップの技術が必要。

■アイデア発想の壁
本書では「アイデアがない」という問題に対して発想法を紹介している。
・自由連想法
・類比発想法
・強制発想法
具体例として強制発想法のひとつk-matrix法を取り上げている。

■k-matrix法による発想の進め方
1.テーマの範囲を設定する
2.本質的欲求から潜在ニーズを検討する
3.未来予測から生活者の状況・制約を検討する
4.潜在ニーズと状況・制約を強制的に掛け合わせる。

本質的欲求(Beニーズ）→生活ニーズ（Doニーズ）→商品・サービス（Haveニーズ）

本質的欲求を9つに分類
生理・生存
安定・安全
利便・快適
変化・刺激
名誉・尊厳
構築・愛着
愛情・所属
向上・達成
調和・貢献

■イノベーションで用いるべき評価指標
市場規模は指標として適さない。市場規模が大きいということは、言い換えれば参入者が多くレッドオーシャンということ。
用いるべきは
・魅力度
・新奇性
・適社性
・実現性
・事業性

■MVPのタイプ
・動画・・・
・コンシェルジュ・・・人ががんばる
・プロトタイプ・・・

■過去メモ
答えがない時代における発想の壁、良いものを見極められない目利きの壁、事業性を伝えることができない投資の壁、顧客の声が聞こえない市場の壁、新しいものは社内で嫌われる組織の壁。ぷらす、大企業のこれから。1.行動に着目してテーマを設定する、2.潜在ニーズを検討する(9つの本質的欲求(Be)、生活ニーズ（Do)、商品サービス(have)の3層構造)、3.未来予測から生活者の状況・制約を考える、pest分析が有用だが手段先行すると危険、4.生活ニーズと生活者の状況・制約を強制的に掛け合わせる、状況カード(1人でいる時間が多くなる)×ニーズカード(健康を保ちたい)→価値と手段がきまる。価値と手段の絞り込みでは、自社にとってやりやすいものではなく、顧客にとって価値があるものを選ぶべき。企業がかかえる間違ったプロセスや意思決定を指摘する。