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幸福とは何か ソクラテスからアラン、ラッセルまで 中公新書2495
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2018/06/20 |
JAN | 9784121024954 |
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幸福とは何か
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商品レビュー
4.2
14件のお客様レビュー
まず文章が硬すぎる。アリストテレスを道学者風などと批判的に分析するが、著者もそれに劣らず、といった感がある。おそらく最後に検討したラッセルに依拠して、人の幸せとは、地味でひかえ目で身近な穏やかな生活を隣人と片寄せあって過ごすこと、というのが著者の「幸福観」であると思われる。その...
まず文章が硬すぎる。アリストテレスを道学者風などと批判的に分析するが、著者もそれに劣らず、といった感がある。おそらく最後に検討したラッセルに依拠して、人の幸せとは、地味でひかえ目で身近な穏やかな生活を隣人と片寄せあって過ごすこと、というのが著者の「幸福観」であると思われる。その帰結から、古代、近代、20世紀の西欧哲学者の幸福論が論断されていて、全体に客観的な記述ではない。 勿論、いいたいことはわかるし、間違っているとは思えないが、個々人が他者との共存を守る範囲では、派手で目立つ華やかな生活を送ろうとすることも、個人の自由であるし、その人の「幸せ」であることは否定しえないように思う。国との関係では「大状況の色に染まらない、自分独自の幸福」というのは、その通りではあるが、著者の主張は、身の丈に合った慎ましい生活を甘受せよ、という押しつけ風にどうしても聞こえてしまう。 他方で、経済学の祖・アダム・スミスが共感の道徳を踏まえて、各人の差異に応じて、他人との取引・交換をするという社会活動こそが経済活動の根幹をなす、と考えていたという趣旨の分析は面白かった。また時代ごとの社会の変化・当時の思想潮流とを踏まえて、哲学史が検討されているのも参考になる。 それにしても、やはり全体として堅苦しさがあることは否めない。
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幸福論が書きたくて参考図書として購入。そもそも、哲学で幸福を論じるのは難しいことなんだな。人によって感じ方も違うし、時代背景でも大きく変わるだろうし。それでも、ある程度共通する幸せってあるのではないだろうか。本書にはいろいろとそのヒントが書かれていた。僕が最も悩んでいるのは次のこ...
幸福論が書きたくて参考図書として購入。そもそも、哲学で幸福を論じるのは難しいことなんだな。人によって感じ方も違うし、時代背景でも大きく変わるだろうし。それでも、ある程度共通する幸せってあるのではないだろうか。本書にはいろいろとそのヒントが書かれていた。僕が最も悩んでいるのは次のことだ。幸せになるために、いまを耐え忍ぶというのは幸せなことなのだろうか。志望校に合格するという未来には、きっと自分の幸せがあるはず。そのために、いま好きなことやりたいことを我慢して、好きでもないやりたくもないことを無理強いされている。それって、やっぱり何か違う。学ぶこと自体が楽しいと思える子だったら何の問題もない。毎日の勉強が苦しいと思っている子に、将来の夢に向かってがんばれと言い続けるのは正しいことなのだろうか。僕の幸せって、仕事を終えて帰ってきて、夕飯食べながら録画しておいたドラマを見ること。そんな日常の些細なことなのだ。ちょいむずの数学の問題が解けた~というときもまあまあ幸せ。それから、ときどき、人生のアクセントとして、誰かや何かとの出会いがあったりすればいい。たまたま、今日は郡司さんの本で知った中村恭子さんの日本画を、わざわざ大阪中之島まで見に行った。素晴らしい作品だった。その色鮮やかさ、繊細さ、さらにユーモラスな表情など、もう、ちょっと衝撃的な出会いであった。作者ご本人にも会えて、少しだけお話ができた。こんな出会いが、僕にとっては格別に幸せな時間なのだ。村上春樹がよく言っている。小確幸=小さいけれど確かな幸せ。これがやっぱり万人に共通な幸せなのだと思う。でも、大金持ちだとか、大きな権力をもった人とか、また違うのかなあ。でもなあ・・・。ということで、幸福論を12回連載することになった暁には、小確幸の具体例を挙げながら、こんなのが幸せなんじゃないかなあ、という語り口で行こう、と思う。
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幸福論の西洋哲学史の解説書である。三好達治の詩やメーテルリンクの青い鳥などを取り上げてわかりやすくイメージを説明してくれる。当然ながら「幸福」の定義は時代と場所によって違う。ギリシャローマの「幸福」は神と結びついていた。神に認められることが幸福であり、徳や善から導かれる行動こそが...
幸福論の西洋哲学史の解説書である。三好達治の詩やメーテルリンクの青い鳥などを取り上げてわかりやすくイメージを説明してくれる。当然ながら「幸福」の定義は時代と場所によって違う。ギリシャローマの「幸福」は神と結びついていた。神に認められることが幸福であり、徳や善から導かれる行動こそが幸福なのだ。次に近代になると社会性が現れ、そこに「共感」という概念が出てくる。カント以降、幸福は生活への満足であり道徳とは一線を引かれる。そしてアランからラッセルへ。自己への興味から外界への興味が幸福を生む。孤立や自省から逃れ、興味の対象をより広範囲に広げ好意的に捉えられるものを増やしていくことこそが幸福を獲得する方法となる。近代以降、進化が良いことという思い込みに囚われて進化の奴隷となってきた現代人にとって、文明の発展が人々の孤立と自閉を生み出しているという悲観的な現代で締めくくられる。しかしラッセルが「幸福論」を書いたのは100年近く前。現代を語るのに現代哲学にまったく触れないのは物足りない。著者が高齢なこともあるだろうが現代に対してなぜこうも悲観的なのか。光はないのか。
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