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人魚ノ肉 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2018/06/08 |
JAN | 9784167910822 |
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人魚ノ肉
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商品レビュー
4.2
15件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
木下作品は面白いなぁという感想だった。 宇喜多の捨て嫁よりは書いている過程を想像できる作品だったが、それでも歴史イベントを場面場面でそれぞれの人物になりきって生きるような作風はすごい。 そして、オチで人魚の血は京都の町に染みこんだっていうのも良かった。 日本では遷都によってかつての首都は廃れているけれど、京都だけはまだ賑わっている。 こういった事実や新撰組の史実を巧みに取り入れながら、グルリと見方を変えて(歪ませて?)ホラーにしているのはやはりすごいと思った。 個人的には斎藤一の名前のギミックが好き(山口次郎、藤田五郎は史実)。
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最近、著者の偏りを感じ、新天地開拓のような作者を探していた。大型書店で歩いていて著書が目に留まった。明らかに作品名が気になった。歴史背景や登場人物も興味をそそり衝動買いの様に買って帰り直ぐに読み始める。 幕末天地がひっくり返る中、物語は進んでいく300年にも渡り鎖国を続けてきた...
最近、著者の偏りを感じ、新天地開拓のような作者を探していた。大型書店で歩いていて著書が目に留まった。明らかに作品名が気になった。歴史背景や登場人物も興味をそそり衝動買いの様に買って帰り直ぐに読み始める。 幕末天地がひっくり返る中、物語は進んでいく300年にも渡り鎖国を続けてきた当時の日本国民は外国人をどう観たか、夷狄 攘夷の嵐、異教切支丹弾圧、当時の人達は外国人そのものが妖の物、怪異であったに違いない、この時代背景で歴史上の人物、出来事に合わせて「人魚の肉」を巡りそれぞれのストーリーが展開されていく、歴史概念・時代背景がしっかりと出来た上での視点が非常に良かった。幕末維新がすきな私は楽しめた。少し くどく感じる点はあったものの各ストーリーの終焉は全てを明かすのではなく、酷いと思われる描写もほぼなく、読者に何か?が残る文章構成も絶妙で小説としての出来は素晴らしいと感じた。歴史観のしっかりとした著者の作品更に深めて読んでみたいと感じさせる一冊であった。
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人魚の血を飲めば不老不死に、 人魚の肉を食べれば、妖に取り憑かれる。 人魚というと外国のお伽話に出てくるイメージが強いが、しかし、それは幕末の京都に実によく合っていた。 史実をなぞりながら、そこに人のものではないものの何かを重ね、美しくも恐ろしく悍しい物語が出来上がった。 わ...
人魚の血を飲めば不老不死に、 人魚の肉を食べれば、妖に取り憑かれる。 人魚というと外国のお伽話に出てくるイメージが強いが、しかし、それは幕末の京都に実によく合っていた。 史実をなぞりながら、そこに人のものではないものの何かを重ね、美しくも恐ろしく悍しい物語が出来上がった。 わたしはこの時代に疎いので多少読むのに時間がかかったが、興味がある人には堪らないのではないかと思う。八百比丘尼伝説も恥ずかしながら知らないので、こちらは後にきちんと調べておこうと心に決めた。 最近ミステリー続きで、ストーリー重視の本ばかり読んでいたので、こういう想像力が掻き立てられるような描写や、心が掻き乱されるような文章を読めてよかったと思う。 想像力といえば、人魚の肉の描写が何度か出てくるのだが、腐るギリギリのとても美味しい魚肉ソーセージというイメージだった。わたしの想像力って乏しいなと少し悲しくなった。
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