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負けない力 朝日文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2018/06/07 |
JAN | 9784022619334 |
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商品レビュー
3.7
7件のお客様レビュー
知性とは「負けない力」であるという著者の考えが開陳されている本です。 現代では「負けない力」ではなく「勝てる力」の実効性・有効性が求められており、そのために「知性はもう負けている」と著者はいいます。そのうえで、役に立つか、立たないかという基準を絶対的なものとみなすのではなく、「...
知性とは「負けない力」であるという著者の考えが開陳されている本です。 現代では「負けない力」ではなく「勝てる力」の実効性・有効性が求められており、そのために「知性はもう負けている」と著者はいいます。そのうえで、役に立つか、立たないかという基準を絶対的なものとみなすのではなく、「なんの役にも立たない」と思われているもののなかに、複雑なものを見いだすことこそが知性であるという主張がなされます。 前半は、日本における教養の変遷を概観する議論が中心となっています。近代以降の日本では、すでに西洋において正解が存在しており、それを追い求めることに注力してきましたが、そのやりかたがもはや有効性をうしなったということが論じられています。 こうした意見は、それほどオリジナリティのあるものではなく、くり返し語られてきたことではありますが、そこから著者は一歩進めて、「自分以外の他人の中に存在する知性」を認めることが重要だという意見を提示します。養老孟司であれば、このことが認められず、自分の思考習慣から抜け出せないことを「バカの壁」というところでしょうか。著者は、養老の論じているような「バカの壁」から脱することができない状況に陥らないために、謙遜の意味をあらためて問いなおし、さらに「世界はもう完成している」という思い込みをみずから点検するという方法を提示しています。 養老孟司、池田清彦、内田樹、橋本治の四人の思想には、ある種の構造主義的な発想が存在しているようにわたくしには思えるのですが、本書では橋本流の構造主義的な考えかたが比較的ストレートに語られているように感じられます。
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まずは「知性に関する本を書いてくれ」という依頼から始まり、「勝とうと無理に思わず、負けないためには何が必要か」という観点で話が展開している。結局は「良く考えること」であり、そのために普段から自分の意思で考えることが重要…といったことを分かりやすい言葉を使ってやや分かりにくく説明し...
まずは「知性に関する本を書いてくれ」という依頼から始まり、「勝とうと無理に思わず、負けないためには何が必要か」という観点で話が展開している。結局は「良く考えること」であり、そのために普段から自分の意思で考えることが重要…といったことを分かりやすい言葉を使ってやや分かりにくく説明している。 例えとして夏目漱石の「坊っちゃん」「吾輩は猫である」を引用しているくだりは面白かった。改めて言われると「そういう話だったのか」と思ったのと、共にインテリ階級であるはずの夏目漱石も筆者も、どこか斜に構えてインテリ達を皮肉っている。漱石を引用してきたのは、筆者が少なからず影響を受けているのかと思うと興味深かった。 一種の啓蒙書のような本。ライトなくどい言い回しは多少気になるが、時に歯に衣着せぬ言葉(現実が、そうだから)を使いながらも本質は突いている。
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知性がなぜ負けているか流行らなくなったか、現代の受験システムや流行から考察し、昔の知性はどのようだったか教えてくれた。 知性のついになるものとして教養主義があり、教養主義は範囲を限定し、役に立つものを覚えることを重視するため、自分の頭で考えることにはならない。 結局は自分にとって...
知性がなぜ負けているか流行らなくなったか、現代の受験システムや流行から考察し、昔の知性はどのようだったか教えてくれた。 知性のついになるものとして教養主義があり、教養主義は範囲を限定し、役に立つものを覚えることを重視するため、自分の頭で考えることにはならない。 結局は自分にとっての問題を見つけ、自分の頭で考える、その結果、知性は負けないという言葉が自然と導き出されるんだなぁと思った。 教養は知識をひけらかすためにあるんじゃなく、自分を成長させる、つまりいろんな見方や考え方があることを学ぶということが主眼でなければならないのだなと思った。
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