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開高健 ベスト・エッセイ ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2018/05/10 |
JAN | 9784480435125 |
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開高健 ベスト・エッセイ
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商品レビュー
3.8
4件のお客様レビュー
同じ著者の本も含め数多くのエッセイを読んで来たが、読み終えるのにこれほど努力を要した一冊も珍しい。いや、決して「面白くない」とか「難解が過ぎる」とかが理由ではない。むしろ逆に、その奥深さや熱量、そして時にはその高尚なる眼力や才能に圧倒されるというか「チカラ負け」するような気分にな...
同じ著者の本も含め数多くのエッセイを読んで来たが、読み終えるのにこれほど努力を要した一冊も珍しい。いや、決して「面白くない」とか「難解が過ぎる」とかが理由ではない。むしろ逆に、その奥深さや熱量、そして時にはその高尚なる眼力や才能に圧倒されるというか「チカラ負け」するような気分になるものだから。読み手にこんな印象を抱かせる著者を、他に殆ど知らない。 収載された数多いエッセイのうち、主たるテーマは「旅」と「食(欲)」と「性(欲)」。それに文学、作家論。これらのうち旅・食・性に関する文章はそれでも比較的軽妙なタッチで、自分のような不粋な読者でもそこそこ楽に読めるのだが、最後の文学、作家論の文章を読み解くには骨が折れた。文字通り、一行ごとに辞書を必要とするような、著者の博覧強記さ、語彙の豊富さ。そしてそれに裏打ちされた圧倒的な表現と描写の幅広さ。重ねて云うが、決して面白くないのではなく、その面白さを理解しようと必死で努力しないと読み進めない。そういう意味で、読むのに苦労する。そういう、類まれな読書体験を味わえた貴重な一冊となった。 同じ著者の本を続けて読む気にはなれなかったが、いずれまた未読の本を手に取って「苦労しながら」読みたい。
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提出した原稿です。 「暗い空。激しい沖。風のこだま。黄昏の荒磯の晦暗。これらが冬の越前海岸とカニを構成しているのであるが、夜長を火鉢のそばで古書など読んですごしたかったら、オスの蟹の甲羅を炭火にのせ、その中身の“味噌“に少しずつ酒を入れて煮るとよろしい。お箸の先でかきまぜている...
提出した原稿です。 「暗い空。激しい沖。風のこだま。黄昏の荒磯の晦暗。これらが冬の越前海岸とカニを構成しているのであるが、夜長を火鉢のそばで古書など読んですごしたかったら、オスの蟹の甲羅を炭火にのせ、その中身の“味噌“に少しずつ酒を入れて煮るとよろしい。お箸の先でかきまぜているとやがてトロトロの灰緑色のものができあがるが、ちょっとホロにがいところがある。酒の香ばしさが熱い靄となってゆらめいている。」(「越前ガニ」より/『開高健ベスト・エッセイ』収録) ーー毎年この時期になると思い出す一節。身を縮めながら味わう温かい酒と海の恵みのほろ苦さ。読むと頭の中が蟹で埋め尽くされてしまう人も多いのでは。 このエッセイの後半に水仙が出てくる。「越前海岸は冬のさなかに水仙が咲くので有名である」――12月の開高忌にも飾られるその花は、小さな鈴のような花弁から甘く華やかな香りを漂わせる。花言葉は「私の元へ戻ってきて」。可憐で控えめな印象の水仙だが、実際それを手に取るとことのほか存在感がある。それは開高さんの魂を彼の地に呼び戻していたに違いない。 開高健の文章は、読者を越前海岸へと誘う。それは、これからやってくる長い冬が必ずしも暗く寂しいだけのものではないと教えてくれる。
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面白かった。 過去に読んだものも沢山あったがこういう硬質のエッセイは読み飽きない。個人的には渓流釣り関係の話が好きだな。
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