強い地元企業をつくる 事業承継で生まれ変わった10の実践

近藤清人(著者)

• 販売会社／発売会社: 学芸出版社
• 発売年月日: 2018/05/10
• JAN: 9784761526771

商品レビュー

2022/09/18

地域に根づく地元の企業で働く身として、その自分たちを含む地元企業を強くするためのアプローチとは？に興味を持って読んでみた1冊。大企業とは違った、外的・内的要因への打たれ弱さや事業承継の難しさをはらむ中で、デザインの力と事業者自身のスピリットに火をつけることで回復・拡大基調に載せられた事例を中心にいくつものケーススタディができる形になっていて、自分たちならどうだろうか、という視点で読み進めることができたいい1冊でした。「使命感」と「らしさ」と「発信力」。この3つを自分たちもどう発揮するかを考えていきたいと思います。

2020/08/29

実際の例がたくさんあってわかりやすかった。

●デザインの力で初め売れてもそのうち売れ残る商品はたくさんあった。
地元企業は当然のように経済活動として地元を良くする。

●消費者のロイヤルティを高める方法はただひとつ、消費者が共感する情報を統一して出し続けること。製品、店舗、ウェブサイト、チラシや電話対応、仕入れ先、販売先まで。どんな社会を実現したいという思いをのせる。

●元気な企業の3つの条件
使命感:どうしても成し遂げたいことがある企業は強い。どのような環境下でも成し遂げたいことにつながる施策を打ち出し、情報を発信することができる。
らしさ:らしくあることは大切、楽しいから続けられる。
発信力:発信し続けないと、誰もわかってくれない

●外部コンサルタントから斬新なアイデアが出されることもあるが、すぐできることは他社もできる。自社しかできない(真似しづらい)ことを追求する他は、価値を継続的に上げ続けることはできない。

●企業の社会的価値
地域の食材を使用した食品メーカーであれば農業や漁業の応援ができる。

●ヒット商品をつくるのはお金をかけられる大企業でも難しい。事業者の思いそのものが伝わりやすいようにデザインすることが大事。商品やサービスは事業者そのもの。

●デザインする前にまずやるべきことは、事業者自身が何のために仕事をして何を達成したいのか、最大の武器である地域資源を使ってどのような社会を実現したいのか。

●類似商品にたいして、どのように思うか。これまで培ってきたことがどこに活かされているか？

2018/08/28

「自分のまちは自分でデザインする」という理念のもと、中小企業のブランド戦略に携わる著者の本です。インテリアデザイナーだった著者が、地元活性化をデザインする専門家になった経緯、地元企業を元気にする独自手法「アイデンティティデザイン」について、そして、若い後継ぎ達が家業を生まれ変わらせた10例がケーススタディとして紹介されています。

地域の主役になるような元気な中小企業には、以下の３つの共通点があるというのが、この３つを突き詰めて「自分のなかの答えを見つけ出す」ことが、自分たちらしい事業、そしてブランドにつながっていくというのが、本著のブランド戦略です。

使命感：「どうしても成し遂げたいことがある企業は強い」
らしさ：「らしくあることは大切、楽しいから続けられる」
発信力：「発信し続けないと、誰もわかってくれない」

シンプルですが本質的。中小企業の経営者と日々悩み、実践し続ける著者だからこその、取り組みやすいフレームワークだと思います。

自分の思いに気づいた跡継ぎが事業を変革していく10の事例は、どれも大変ドラマチック。老朽化物件を継承した大家、建築不況にあえぐ塗装業の後継、家業が大嫌いだった食品会社社長など、事例一つ一つに、家族や個人の物語があり、ビジネスとしての個性がありました。
詳しくはブログへ！
https://hana-87.jp/2018/08/21/books-tsuyoijimotokigyo/