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ピラミッド 創元推理文庫
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ピラミッド 創元推理文庫

ヘニング・マンケル(著者), 柳沢由実子(訳者)

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ピラミッド 創元推理文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2018/04/21
JAN 9784488209209

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商品レビュー

4.2

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2023/03/28

ヴァランダーシリーズはヴァランダーが42歳の時から始まっていて、それ以前のヴァランダーを知りたい、という読者の要望に応えて5編の短編を描いた。 警察に勤め始めたばかりの22歳のヴァランダー、モナに恋してるホットな若者。時を経て40歳、モナに去られ、警察内ではベテランになっている...

ヴァランダーシリーズはヴァランダーが42歳の時から始まっていて、それ以前のヴァランダーを知りたい、という読者の要望に応えて5編の短編を描いた。 警察に勤め始めたばかりの22歳のヴァランダー、モナに恋してるホットな若者。時を経て40歳、モナに去られ、警察内ではベテランになっている時までの5編。これがめっぽうおもしろい。本では「笑う男」しか読んでないのだが、めげるなヴァランダー、活字の間から応援してるぜ、というような親近感を感じた。家族~妻と父に振り回されるヴァランダー。最後の「ピラミッド」では念願のエジプト旅行に行った父親が、ピラミッドに登ったと警察につかまってしまう。そして事件。事件も殺された者、殺した者、それぞれの人生を訥々と描き出し、ああ、こういう人生ってあったんだと感慨にふける。そしてそれを追う警察人たち。こちらも各人各様血が通っていて人間臭い。 ヴァランダーは妻のモナがやっぱり好きなんだなあ。しかし最初の恋人時代から不協和音が響いてくる。そして画家の父。スウェーデンの風景と鳥の絵を描き続ける。この父もユニークだ。がやはりモナと同じくどこか二人は感情がずれてしまうが、父子だけに切れることはない。 「ナイフの一突き」1969.6.3から始まる。22歳になったばかりで、マルメ署で警官になりたての巡査だがいつか刑事になりたいと思っている。モナとは去年出会って、結婚したいと思っているが、緊急出動がありたびたびデートをすっぽかされるモナは機嫌が悪い。ヴァランダーは1947年生まれのようだ。 アパートの隣人の男が死んでいるのを発見したヴァランダー。巡査なのだが、隣人の死ということで刑事のヘムベリに目をかけられ捜査をすることに。解剖すると男の胃袋からダイヤの原石が出てきた。殺される寸前にのみこんだらしい。 「裂け目」1975年にクリスマスイブの日。マルメ署で刑事になっている。28歳か。モナともう結婚していて娘のリンダが生まれている。モナが小さい町で娘を育てたいと希望し、イースタに引っ越している。マルメ署での最後のクリスマスの日、イースタへの帰途入った食料品店で店主が殺されていた。そこには犯人とおぼしき若い男がいてヴァランダーはスキを突かれ縛られてしまう。犯人は南アフリカからの難民だった。 「海辺の男」1987.4.26の話。ヴァランダー40歳。イースタの近くの小さな町からタクシーに乗った男が、イースタに着くと死んでいた・・毒殺らしい。 モナと娘のリンダはカナリア諸島で2週間の休暇中。リンダは高校をやめてしまっていた。モナとの関係にはひびが入ってしまっている。 「写真家の死」1988年4月 ヴァランダー41歳。町の肖像写真家が店で殺されていた。関係者に聞いても皆いい人だったという。男は現像部屋で新聞写真から政治家の顔を抜き出し醜く歪めるのが趣味だった。なんとその中にヴァランダーの顔もあった・・ 調べるうち意外な過去が・・ ヴァランダーは1970年の末にモナと結婚したが、届を出すだけでいいと思うヴァランダーに対し、モナの希望で海辺で結婚写真をその男に撮ってもらったのだ。娘のリンダの写真も何枚かあるはず。モナは娘と一緒にマルメに去って別居中。 「ピラミッド」1989.12.11 ヴァランダー42歳。 イースタ近郊の海岸で小型飛行機が墜落炎上、2名の男の焼死体。パイロットは1966年、南ローデシアからタバコの密輸をしていて低空飛行の技術がある。今回はある地点で荷物を落とすのが任務。終わったらドイツのキール郊外にある自分の所有する滑走路に着陸し、ハンブルクの自宅に帰るのだ、と始まる。墜落機からこの謎にたどり着くまでのヴァランダーたちの推理経過。そこに父のピラミッド騒動がからまるが、その三角の形と、事件の3つの現場からヴァランダーは解決のヒントを得る。 ヴァランダーの父が念願のピラミッド見学に行きピラミッドに登ってしまい捕まり、ヴァランダーは保釈金を用意し父を引き取りに。おりしも車を買い替える予定で銀行から金を借りたばかり。娘リンダは自立の道を探せそうな気配で、祖父の出発をヴァランダーとともに見送っている。リンダと祖父は気が合うようだ。 1999発表 2018.4.20初版 図書館

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2022/05/30

ヴァランダーシリーズの、本流が始まる前の若き日のヴァランダーと家族の在り様、それにもちろん事件を描いた番外編。短編中編長編の5作からなっていて、20代から40代のヴァランダーの、若い時から全く変わっていない頑固で無鉄砲なところと、先輩から捜査の基本や人に話を聞く際のポイントなどを...

ヴァランダーシリーズの、本流が始まる前の若き日のヴァランダーと家族の在り様、それにもちろん事件を描いた番外編。短編中編長編の5作からなっていて、20代から40代のヴァランダーの、若い時から全く変わっていない頑固で無鉄砲なところと、先輩から捜査の基本や人に話を聞く際のポイントなどを地道に素直に学んでいく様子などが丁寧に書かれていて大変興味深く読了。シリーズ第1作ですでに病に侵されその後故人となってからもヴァランダーの中に手本とすべき規範として存在していたリードベリが、病の兆候はありつつも現役で捜査活動に参加しヴァランダーと協力し合いよき理解者となって伴走してくれる様は、ちょっと感動してしまいました。警察官としては敏腕なヴァランダーが家族や恋人と安定した関係を築けずに不器用に右往左往する人間くささがこのシリーズの味わい深さと思っているのですが、それと並んで、寒い日は気温によってどのセーターを着るか決めてあるとか、捜査現場に到着すると革靴ではなく車に積んであるゴム長靴に履き替えるとか、日々の暮らしの細々としたことが事件と捜査活動の合間にくどいくらいに挟み込まれているところも気に入っています。このシリーズも残すところ著者の没後に訳出された『苦悩する男』だけになってしまいました。早く読みたいものの、読んでしまうのがもったいないような気持ちです。

Posted by ブクログ

2021/05/03

刑事クルト・ヴァランダーの短編集です。 スウェーデンのミステリ。 さすがの味わい、若き日の姿を読むことができたのも嬉しい。 クルト・ヴァランダーがまだ22歳でマルメ署にいた頃の「ナイフの一突き」から年代を追って話が進みます。 まだ若いが先輩の刑事に見込みがあると思われていて、た...

刑事クルト・ヴァランダーの短編集です。 スウェーデンのミステリ。 さすがの味わい、若き日の姿を読むことができたのも嬉しい。 クルト・ヴァランダーがまだ22歳でマルメ署にいた頃の「ナイフの一突き」から年代を追って話が進みます。 まだ若いが先輩の刑事に見込みがあると思われていて、ただし絶対に一人では行動しないように言われていたのに… この時恋人だったモナは、次の「裂け目」では妻に。 イースタ署に移ってからの「海辺の男」では、妻と娘は休暇旅行中で、クルトはその計画を知らされていなかった、と暗雲が立ち込め始めてます。 「写真家の死」も印象的な作品。町の写真家が殺され、ヴァランダー一家も折りに触れ写真を撮ってもらっていた男なのだが、意外な面を持っていた… 「ピラミッド」では、娘のリンダが19歳になっています。 クルトの父親は画家でいささか変わり者なのだが、念願のエジプト旅行中。ところが、エジプトで父が逮捕されたという報が入り‥ 捜査中の事件の謎も合わせ、長編のような読み応え。 有能だが不器用なところがあり、やる気や優しさが空回りしがちなクルト・ヴァランダーの人生。どうしようもない出来事もあり、切なくもちょっと滑稽だったり。 「殺人者の顔」で登場するまでのエピソードが語られ、予想以上に面白く読めました。 作者が惜しくも亡くなってしまったため、残りをゆっくりと読んでいます。未訳の作品もあるので、いずれはと楽しみに。

Posted by ブクログ

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