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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2018/04/13 |
JAN | 9784062938938 |
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商品レビュー
3.7
5件のお客様レビュー
上巻が面白かっただけに、広げた風呂敷をさらに広げたままで終わってしまったのが残念。 作者がやりたかったのは、そんな、小説的整合ではないことはわかっているけれど、それでももやもやを抱えながら立ち尽くす身としては、細部まできっちり作り込んだうえでのバカミスなり、トンデモ本なりを求めて...
上巻が面白かっただけに、広げた風呂敷をさらに広げたままで終わってしまったのが残念。 作者がやりたかったのは、そんな、小説的整合ではないことはわかっているけれど、それでももやもやを抱えながら立ち尽くす身としては、細部まできっちり作り込んだうえでのバカミスなり、トンデモ本なりを求めてしまう。 そもそも、小説世界と現実世界が互いに入れ替わる様相は、ウロボロスではなくてメビウスなのでは? そして、どうしても納得のできない、恐喝のネタ。 暴かれるといやだからといって、殺すことはないと思うのね。 一生恨むことはあっても。 そして隠しおおせる謎でもないと思ったのよ。 今時、それはニュースにならないわけがない。 ところが、最初の殺人の動機はいったいどこから湧いてきたのだろうなんて考えてみたら、実は最初の出来事は最後の告白とつながっているのかなあと思えてきたり。 つまりウロボロスの環ってこと? いろいろ考えましたが、すっきりはしません。 そういうのがお好きな人は、ハマるかも。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ものを知らない私は、ウロボロスといえば「はてしない物語」の表紙のしっぽを噛み合う2匹の蛇のイメージが浮かぶ。「はてしない物語」も、外から読者という形でかかわっていたはずのバスチアンがいつのまにか本の中のファンタージエンに取り込まれていく、中に入り込んでいくという物語で、「ウロボロスの偽書」も最初は3つの物語が分立しているのかと思いきや、まじりあい絡み合い、どこが表でどこが裏なのか判然としなくなり、読者はどこを立ち位置に踏ん張れば良いのかわからなくなる、そういう物語。「はてしない物語」が単純な入れ子構造なのに対し、こちらはいったい何元なのか読んでいるうちに分からなくなるほどだけれど……。読み始めて、そういうところが共通しているようで、それがタイトルに「ウロボロス」を持つ意味なのかなと思っていた。ウロボロスというか、メビウスの輪というか、そういう感覚。 物語は複雑怪奇で、本当にどこが現実でどこが架空のできごとなのか。幻惑されて混乱するかと思いきや、文章がとても読みやすいので、意外と読み進むのには時間がかからない。すいすい読める。著者らしさなのか、アンチ・ミステリらしさなのかど、衒学的でめくらましされているような文章なのに、読みづらさはない。それが読んでいて不思議だった。展開がスピーディーで飽きさせないのもあるかもしれない。 殺人鬼のパートの猟奇的な描写には正直参ってしまったけれど、それも多分必要なパートなのだろうと読むことはできた。ただやっぱりきつい……。エログロが怖くて探偵小説が読めるか!というのは、もちろんあるんだけど、私はミステリに「謎解きの安心」を求めるタイプなので……そういうタイプの読者にはそもそも向かないのかもしれないけど。放り出される不安感を楽しむ小説を書く人なのだろう。 芸者パートの「トリック芸者」はシュールですごく面白くて、笑ってしまった。分かりやすいというか、素人臭いようなトリックが謎解きの「そこはそれ」の突拍子のなさと相まって、本当にシュール。これだけでもたくさん読みたい。しかも下巻の半分以上を読み進めるまで、「酉つ九」=「トリック」というのに気づかず、気づいた時には自分のあほさに笑ってしまった。すごいな! 竹本健治パートは、本人は出てこず言及されるだけの連城三紀彦が(「連城さんに書いてもらえ」とか、なんかツッコミ要素として入れられていたりして)妙におかしく、その他実在人物の要素が、本当に面白くてフフッと笑ってしまったりして物語に没入できた。「知っている人」が出ていると、それだけで読みやすくなるのかもしれない。どなたのことも別に個人として知っているわけではなく、単なる一読者の身で何を言っているのかという感じかもしれないけど。 物語の登場人物が、実在人物は筆名(じゃない人もいるのかもしれないけど)、芸者は芸者名(というのかな)、殺人鬼は自ら偽名とした名を名乗るなど、みんな本当の名前がわからないのがキーになるのかな、と思いながら読んだけれど、全然関係なくて笑った。あとは、面白いけど振り回されまくり、時制の問題などにも全然ついていけなかった。メモを取りながらじゃないと正確には追えないよ!追ったところで、結末がああでは、あんまり意味なかったけど……。 「読者への忠告状」が出てきたときには笑ってしまった。これにあるとおり、本書はミステリではないのかもしれないけれど、物語として、小説の可能性というものをどんどん広げていくもののようだと思った。 いいとか悪いとかじゃなくて、小説が好きで、その可能性を広げていく、小説愛の強い人なのかなーって、作者について、そんな感想を持った。涙香迷宮を先に読んだらタイプの違いにクラクラしちゃった。面白かった。
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『トランプ〜』に続き、竹本作品五作目。ウロボロスシリーズ、第一弾。マトリョーシカみたいな…でも、最終的にはブラックホールのような作品。これは一体なんだったのだろうか——。
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