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英語の素朴な疑問に答える36章

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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 研究社 |
発売年月日 | 2018/03/01 |
JAN | 9784327452827 |
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英語の素朴な疑問に答える36章
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なぜ疑問文にはdoやdoesを付けるのか、yをiに変えてesを付けるのはなぜか、willとshallの違い、willとbe going toの違い、to不定詞と動名詞の違い、など中学校では「そういうもの」として教えられる英文法を、ごまかさずに説明するとどうなるか、という感じで書...
なぜ疑問文にはdoやdoesを付けるのか、yをiに変えてesを付けるのはなぜか、willとshallの違い、willとbe going toの違い、to不定詞と動名詞の違い、など中学校では「そういうもの」として教えられる英文法を、ごまかさずに説明するとどうなるか、という感じで書かれている。 著者は有名な英語教育の元外大の人で、既に亡くなった先生。この本は1990年に出た本の復刊らしい。中高生からの質問に答える、というスタイルで、質問の内容はもちろん一般的である。が、質問文自体が古臭く、これをこの2018年に出すというのは、どういうことなんだろうか、と思ってしまった。つまり読者はあくまで大人、特には英語教員、ということになり、中高生ではなさそうな本になってしまっている。「『これは、ルールである』と先生はおっしゃいました。ルールならばしかたありません、そのまま覚えるしかありませんから優等生の私はそのまま覚えました。そしてテストでも、someをanyに変えていい点をいただきました。でも、本当のところ、私は納得していません。」(p.79)、「学校の先生は、どうも中途半端なことしか教えてくれないのですね。」(p.86)、「ヘンだな、とは思いましたが、先生のおっしゃることには反抗しないほうが得ですから黙っていました」(p.150)とか、越え難いジェネレーションギャップが横たわっている。内容は良いのかもしれないが、そういうところを差し引けない中高生もいるのではないのだろうか。 そして、説明はもちろん良心的なのだけれど、やっぱりちゃんと分かろうとすると結構難しい。orと否定とかを論理記号で説明して理解できるのは高校生くらいじゃないだろうか。ド・モルガンの法則、とか言いだすと、英語嫌いをさらに作ってしまいそうな気がする。そして「教わったように教えるな」をコンセプトに、従来とはだいぶ違った説明があるので、既に英語がある程度できる人にとってはかえって難しい。つまり「そういうもの」を乗り越えた人にとっては難しい。さらに、この説明に納得することと英語ができることはまた別、と考えると、さらによく分からなくなる。実はdoesの説明とか、この本に書かれている通りにおれは中1で教えているが(カードを用意して動詞の後ろにdoesをsが見えるように隠して疑問文の時はそのdoesが前に移動して…)、その場で納得しても、やらせると疑問文や否定文でsが残る。その都度doesは前に来てるから…、とやり続けることになる。できるためには、結局は慣れ、ということになってしまう。 確かに、pp.178-9にあるように、「asが、もともとall so、つまりalsoの省略形であることさえ知らない人が」(p.179)、as ~ asの否定文を作らせてnot as ~ asは×でnot so ~ as、みたいな問題を出す先生はおれも軽蔑するけど、そこまでではなくても、ある程度「不確実さを受け入れる耐性」みたいなものがそもそも語学には必要で、しかもそれは語学の初期段階で求められるのではないかと思う。問題はその「不確実さを受け入れる耐性がないことによって生じる素朴な疑問」を一蹴するのではなく、かといって英語史や英語学の知識を振り回して真面目に説明するのでもなく、あるいは親切な説明に説明を重ねて結局分かりにくいし使えなくさせる、とかそういうことでもなく、その「不確実さ」を楽しく、でも厳しく乗り越えられるような指導というのが結局必要なのではないか、と思ったりする。ただし、もちろんもし存在するのならば「正しい」説明というものを知っておく必要は教師にはあるし、これだけ著名な英語教育の先生なので、その説明方法や原理を勉強する必要は当然、英語の教員ならあるとは思うけれども。と、考えさせられる本だった。 ところで、全く関係のない話で、「実は仕事の関係で、いろいろな学校を訪問することが多いのですが、しばしば教室(その教室の担任の先生は英語の先生なのでしょうが)の正面に、"Do your best!"といったスローガンが掲示されていることがある。『オヤオヤ』と私は思うのです。『たぶんダメだろうが、セイゼイやってみるさ!』と読めたりして、困るのです」(p.146)とあって、確かにあきらめた感じでJust do your best.と言うもんだよな、と思った。じゃあスローガンとして掲げるには何が良いのか、ということはあんまり考えたことなかったなあと思った。(18/12/08)
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