ギリシア神話シンボル事典 文庫クセジュ

ソニア・ダルトゥ(著者), 武藤剛史(訳者)

• 販売会社／発売会社: 白水社
• 発売年月日: 2018/04/05
• JAN: 9784560510193

商品レビュー

2022/04/24

・医術
　ゴルゴンの右の静脈から出た血は死者を蘇らせる力があり、左の静脈から出た血は人を殺す毒である。

・カドゥケウス
　カドゥケウスとは、絡み合った二匹の蛇が巻きつき、先端にふたつの翼が生えた、月桂樹ないしはオリーブの木の杖のことで、ヘルメスの標章である。
　この杖を医術の神アスクレピオスが持つ杖と混同しないでいただきたい。後者に絡みついている蛇は一匹だけである。こちらの杖は薬剤師のシンボルとなった。

・パンドラの箱
　オリュムポスの最高神は、罰として、人間たちに「贈り物」を送り届けることにした。そしてこの「贈り物」こそが、人類を震撼させたのである。その「贈り物」とは、美しいと同時に恐るべき存在、すなわち女であった。女は、火と同じく、男たちの財産と精力を貪り食ってしまう。

・盲目
　ゼウスは女の快楽のほうが大きいと主張し、ヘラは逆だと言い張った。テイレシアスは、女に変身することができたので、両性を経験していた。そこですかさず、ゼウスに軍配を上げ、もし快楽を十段階で測ることができるとすれば、男が感じる快楽が一なのに対して女が感じる快楽は九に達すると断言した。女神はこの判定に怒り、テイレシアスを盲目にしてしまった。