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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2018/03/29 |
JAN | 9784062209519 |
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商品レビュー
3
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【訣別したい自分との闘い】 初めて読んだ李琴美さんの小説。 主人公の趙迎梅は、台湾で生まれ育つ。女性しか愛せないと知り、そうやって高校、大学でも同性の恋人を持つ。 社会の価値観と自分の現実にギャップを感じつつ、それでも自分なりの社会関係や進路を見つけていくのだけれど、特にトラウマになっていたのは、高校の卒業時に受けたレイプ。自分のアイデンティティを否定されたように感じ、そんな過去を自らも消し去りたいという思いもあってか、趙紀恵に改名、日本に移住。普通の会社員としての生活を手に入れる。会社の人には、過去のこと、自分のことは隠しつつ、プライベートではLGBTQコミュニティで交流する。 それでもずっと、自分と対決し続ける。最終的に、死ぬことで自分を消すことを選ぶ。 「和解」ではなく「忘却」「訣別」を試みる過程。 たぶん、自分を愛している、だからこそ、消えてほしい自分の部分が強くあるのだと思う。そいういう意思を持っているからこそ、今の人生に満足できずに、死によって自分の意思を主張してしまうのかもしれない。 『空白を満たしなさい』を読んだ後でもあり、そんなことを考えた。
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そうか、生きていくためにはこの色を見つめていなければならないのだ、と彼女は思った。 死について書くことで、彼女は生き延びた。 (P.24)
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淡々と物語が進んでいっているように思えるのは主人公が「わたし」ではなく「彼女」だからか。いつものように主人公に入り込むのでなく、俯瞰して彼女の人生を眺めるように読み進めていった。
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