100分de名著 法華経(2018年4月) あなたもブッダになれる NHKテキスト

植木雅俊(著者)

• 販売会社／発売会社: NHK出版
• 発売年月日: 2018/03/24
• JAN: 9784142230853

商品レビュー

2019/02/23

常不軽菩薩の話が好きです。
「私はあなたがたを軽んじません。」と出会う人出会う人へ告げるこの菩薩の精神がとても尊いと感じました。
自分を軽んじないこと、そして他人をも軽んじないこと、この両者を合わせ持つことが出来たら、それは本当に素晴らしいことではないかと思うのです。
自分を軽んじないこと、自分を大切にすること、というのは、例えば自分の欲望の為に贅沢の限りを尽くしたり、他人の考えを押しのけて自分勝手に、生きることではありませんよね。むしろ、自分の声にちゃんと耳を傾け、自分を律し、自分を守り、まっすぐと背筋を伸ばして生きることだと思うのです。
人から謗られ石を投げつけられようとも、自分の思いを貫き通したこの菩薩は、「衣、座、室の三軌」を実践したとこの本にあります。
衣とは忍耐、座とは物事にとらわれないこと、室とはすべてのものへの慈悲。日々怒り悲しみ戸惑い、他人の思惑に振り回され、自分本位で生きている私とは程遠い思想です。ですが、法華経は、差別なく万人へと開かれた教えだと本にはあります。
「私は、あなたがたを軽んじません。」と言った菩薩の言葉が響きます。どうせ私には無理だと腐らずに、私にもまっすぐに生きられる可能性がある。菩薩というとなんだか気後れしてしまうけれど、より生きやすい方向へ歩んでいける可能性があるとまずは自分を信じ、自分を軽んじないことが重要なのではないかと思うのです。

2018/04/28

法華経のことはほとんど知りませんでした。
本書で概観がつかめました。
大乗仏教は小乗仏教の中から起こったという説も、法華経を読むと分かるのですね。
法華経は革新的な教えだったのだと分かりました。

2018/04/27

「法華経」植木雅俊著、NHK出版、2018.04.01
121p ¥566 C9415 (2018.04.29読了)(2018.03.29購入)

【目次】
【はじめに】思想として『法華経』を読む
第1回　全ての命は平等である
第2回　真の自己に目覚めよ
第3回　「永遠のブッダ」が示すもの
第4回　「人間の尊厳」への賛歌

内容紹介(amazon)
釈迦がほんとうに伝えたかったことは何か
アジア諸国で「諸経の王」として広く信奉されてきた『法華経』。日本でも仏教界は勿論のこと『源氏物語』や宮沢賢治などの文学、さらには等伯や光悦などの美術にも影響を与えてきた。サンスクリット原典から日本語訳を果たした筆者が、宗教書にとどまらない「思想書」として本書を読み解く。