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実践 小説教室 伝える、揺さぶる基本メソッド
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2018/03/01 |
JAN | 9784309026633 |
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商品レビュー
4.5
8件のお客様レビュー
「海燕」「野生時代」の元編集長で、島田雅彦、吉本ばなな、小川洋子、角田光代、瀬名秀明らの作家デビューに立ち会った著者による小説指南書。著者は現在、小説教室を開き、多くの生徒を教えているそうです。そのなかには、芥川賞をダブル受賞した若竹千佐子さんと石井遊佳さんもいらっしゃったようで...
「海燕」「野生時代」の元編集長で、島田雅彦、吉本ばなな、小川洋子、角田光代、瀬名秀明らの作家デビューに立ち会った著者による小説指南書。著者は現在、小説教室を開き、多くの生徒を教えているそうです。そのなかには、芥川賞をダブル受賞した若竹千佐子さんと石井遊佳さんもいらっしゃったようです。 僕も小説を書きますが、ふだん、原稿を書くことについて話をする人が、オフラインでもオンラインでもいないので、たまにこういった本を読むと、原稿書きの知己や先輩が得られたみたいな、そんな気持ちになり、楽しくなります。 書いてある内容は、どれも腑に落ちます。こういった指南本では、「ほんとうにそうかな?」とか「ちょっと自分の感覚とはずれてるな」とか、自分でもある程度経験があるのに、その外側にあってよく理解できない内容の言葉が書かれていることがあります。理解するように努める、というより、自分の持ち場からぴょんと飛ぶようにして信じてみるしかない、というような種類の言葉です。しかし、本書は、どれも、自分の経験に照らしてみて「わかるなあ」と思えるし、そのちょっと先を行く内容のものも、自分の経験の延長上から逸れていないことが直観でわかるものだったりしました。だから、僕にとって、信用できる小説指南本だったのでした。 本書は三部構成です。「1.小説とは何ですか?」「2.書いてみよう」「3.読んで深く味わおう」、全てわかりやすい文章で書かれていますが、でもそれぞれが歯ごたえのある中身です。小説の文章と正しい文章は違うこと、平叙文が正解ではないこと、小説家に向くタイプなどから始まり、小説のテーマとはどんなものか、書き出しが大切なこと、人称の説明、リアリティについてなどから書くときのポイントを教えてくれ、最後に村上春樹、綿矢りさ、山本周五郎らの作品の解説をしてくれて、小説のその読みの深みに触れられる仕掛けになっていました。 さまざまな面から小説を書くことについて述べられていて、すべて覚えていたいくらいなのですが、なかなかそうもいかないものですから、本棚のとりやすい位置に立てておいて、その都度ページをめくり直したい本です。 では、以下の引用をもって終わりにします。 __________ いい小説を書くには、言葉の組み合わせから作る描写、叙述、文脈のなかで、あなたが表現したい原物を、ほんの感触でもいいからつかまえて書くよう努めることです。あなたが操る言葉と、あなたの内面的真実の距離を、文脈の中でどうにかこうにか近づけていくのです。 それが小説を書くという営みであって、それをやりおおせたときに初めて、納得できる作品が生まれるのです。(p71) __________ __________ 小説とはもちろん、作為的なものです。むしろ作為の産物といっていいでしょう。 作家の仕事は、その作為が自然に見えるように書くことです。するとそこにリアリティが生まれます。作為を自然に見せることこそ、小説に求められる技であり、言葉の技なのです。(p74) __________ __________ ただ一つ言えるのは、短編小説を書くにはものすごいエネルギーが要るとうことです。それには相当なエネルギーがなければなりません。短編小説のすぐれた作品に、小説家が若いときに書いたものが多いのはそのためです。(p78) __________ __________ (小説を書くことによって)ものの見方、考え方に深みが出てきて、生きていること自体が楽しくなってくるのです。(p223) __________ というところです。本書は、小説を読むのも書くのも、より深く楽しめる道のりを歩むための、その地図でしょうか。おすすめなのでした。
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酷評したくなった本を読んでから感じていたモヤモヤの解き方を、この本を読むことで教わった気がします。 読まないと書けない、書けないと読めない。書くと読み方が変わる、深くなる。 小説とは何か、その分類について。いざ書くときの方法や心構え。小説の四つのポジションからの読み方。実際の小説...
酷評したくなった本を読んでから感じていたモヤモヤの解き方を、この本を読むことで教わった気がします。 読まないと書けない、書けないと読めない。書くと読み方が変わる、深くなる。 小説とは何か、その分類について。いざ書くときの方法や心構え。小説の四つのポジションからの読み方。実際の小説を、こう読み解くという実践。 なるほどなるほどとワクワクしながら読み進められました。ふせんも挟みまくり。 編集のプロが教える、伝わる、揺さぶる基本メソッド。著者の小説教室を覗かせてもらえて、ラッキーな一冊。方法にとどまらず、一人ひとりの存在を肯定し、人生を励ましてくれる側面も。読めてよかった。
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小説とは読者との歩み寄り。100m距離があったとして著者と読者が50mの中間地点で出会うのがバランス良い。純文学は読者の方がより歩み寄りが必要、エンタメ小説は著者から読者により歩み寄る。テレビは100m全部メディア側が歩み寄ったもの。
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