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徴産制
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2018/03/22 |
JAN | 9784103353522 |
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商品レビュー
3.8
22件のお客様レビュー
めちゃくちゃ面白かった。 「徴産制」が課せられ、若い男性が2年間女性に性転換することが義務付けられた未来の日本が舞台。荒唐無稽な設定だが、内容はこの上もなくリアルに女性差別を描いている。 女性になったことで、これまで無関係で考えもしなかった女性差別をこれでもかと受けた男性たちが傷...
めちゃくちゃ面白かった。 「徴産制」が課せられ、若い男性が2年間女性に性転換することが義務付けられた未来の日本が舞台。荒唐無稽な設定だが、内容はこの上もなくリアルに女性差別を描いている。 女性になったことで、これまで無関係で考えもしなかった女性差別をこれでもかと受けた男性たちが傷つき苦しみながら、少しずつ考え方を変えていく様子が良かった。 しかし、徴産制は必ずしも出産が義務付けられている訳では無い。男性を慰安するための存在として女性を増やしているというところが、まさに日本の醜悪さを表していて、うわーとなる。男性のケアをするための女性、という構造が昨今批難されているが、子どもの数を増やす<男性を慰安する、である日本社会がいかにクソかということを実感させられる。 この小説がコロナ禍前に描かれたなんてスゴすぎる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ようやく読めました!こういうSFもっと増えて欲しいな...2018年出版ということでコロナ前の一冊。スミダインフルエンザなるものが流行し女性の多くが死に絶え、中国の属国のような日本で、男性に「女」になることを課す法律が課されたら?という話。もういろんなテーマが絡み合ってて、現代を映す鏡にもなっていて、面白かった。 ・ショウマの場合はルッキズム ・ハルトの場合は国家と個人の関係その1で、「あのときは、子供を産まないと女として価値がないと思ってた。それって国にとって都合のいい価値観に過ぎないのに、自分が国に一体化しちゃって、自分の価値観だと思い込んじゃって」「じゃあ今は?女としての価値って何よ?」「楽しく生きてれば、そんなもんどうでもいいってこと!」 ・タケルの場合は最もハードで苦しかった...強制された売春、性暴力 ・キミユキの場合は人と人の関係と性別という感じで、性とは何か?に正面から切り込んでいる。「人間は、オトコのコとオンナのコの二つに分かれてるんじゃなくて、ひとりに人間のなかにオトコのコとオンナのコが両方いるんです。そのどっちが多いかは人によっても違うし、どっちを多くしたいかは自分で決めればいい。みんなもそのときの気持ちに合わせて好きな格好をしてください」 ・イズミの場合は今までの4人の話を受けて最終話としての希望と不穏な空気を残すディストピア小説らしい終わり方でこれも良かった。それは自分の精子と女になった自分の卵子とを受精させて子供を産んだ「単なる異常者か、それともこれから増えるであろうニュータイプの人類の先駆けなのか」という点でもそうだし、「国立の養護施設で育った子供たちは、小さい頃から、国が決めたことは絶対であり従うべきであるという教育を受けているようです。彼らは大人になると、徴産制だろうが徴兵制だろうが、国の制度を無批判で受け入れていくかもしれない」という点でもそうだった。いい話だね!ではない、この物語はやはり凄惨でおぞましい物語なのだと楔を打たれる。 この章の「自分は正しくないという自覚が、人を自由にするのかもな。自分はたいしたことない、結構ひどい人間だと思えば、大抵の人間を許せる。私はときどき、悪人こそが、人に対してもっともやさしいと思うことがある」というのもドキッとした。 あとは「...鏡にうつった美しい女がイズミに向かって、泉鏡花の『海神別荘』に出てくる美女のように「貴方、人に知られないで活きているのは、活きているのじゃないんですもの」と流し目を送っている。」というのでお、作者!と嬉しくなりました。
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『SF超入門』で紹介されているので初めて知って読了 うーむ極めて今日的テーマをSFという枠組みで抉って来ている、そして挑発的なタイトル もっと読まれていいのではないか
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