77便に何が起きたか 夏樹静子トラベルミステリー傑作集 中公文庫

夏樹静子(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社
• 発売年月日: 2018/02/23
• JAN: 9784122065376

商品レビュー

2019/01/28

40年以上前の方がトラベルミステリだから、今だったらもっと使い勝手のいい？トリックがあるだろうけど、面白く読めた。久々の時刻表トリックとか。
「特急夕月」みたいなオチも好き。

2018/05/30

旅客機が爆破され、乗客51名全員が死亡。うち４人と乗らなかった１人には奇妙な共通点があった……。新幹線やフェリーなど旅路の犯罪を描くミステリー傑作集。

2018/05/20

乗り物を舞台とした作品集。

収録されている作品とその舞台は
　77便に何が起きたか - 東京発福岡行き旅客機
　ハバロフスク号殺人事件 - 横浜発ナホトカ行き貨客船
　特急夕月 - 岡山発宮崎行き夜行特急
　山陽新幹線殺人事件 - 東京発博多行きひかり号
　ローマ急行殺人事件 - パリ発ローマ行き国際急行
　密室航路 - 東京発高知行きフェリー
です。

『77便に何が起きたか』は人口5万の小さな市から一見すると接点の無い5人が爆破された旅客機に乗り合わせたのは何故かというミッシングリンクもの。
『ハバロフスク号殺人事件』は女子大学生が公海上の船内から失踪した事件をめぐるサスペンス。
『特急夕月』は新幹線を利用したアリバイものですがミステリではなくサスペンスに仕立てられています。
『山陽新幹線殺人事件』は電話を利用したアリバイトリック。
『ローマ急行殺人事件』はコンパートメント内での殺人を解くアームチェア・ディテクティブもの。クリスティの『オリエント急行』を思わせておいて別の解決となっています。
『密室航路』は施錠された船室で首を切った男という一見すると自殺にしか思えない事件。短めの中篇なので犯人もトリックも分かりやすい。

いずれの作品も1970年代後半に発表されたもののため、現在では実現できないものばかりですが、当時の雰囲気はじゅうぶんに感じられます。