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雪の階
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雪の階

奥泉光(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2018/02/07
JAN 9784120050466

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商品レビュー

3.8

52件のお客様レビュー

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2023/03/29

友人の心中事件の真相を追うミステリーかと思いきや、物語はあらぬ方向へ向かっていくし、主人公の惟佐子はファムファタルっぷりの度を過ごしていくし、さて、どう着地するの?と587ページめくりました。情景描写が美麗、身につけているものが細かく描かれていて愉しい、見慣れない言葉が頻々と出て...

友人の心中事件の真相を追うミステリーかと思いきや、物語はあらぬ方向へ向かっていくし、主人公の惟佐子はファムファタルっぷりの度を過ごしていくし、さて、どう着地するの?と587ページめくりました。情景描写が美麗、身につけているものが細かく描かれていて愉しい、見慣れない言葉が頻々と出てくるので面白い、と本筋以外も興味深くて、先に進むのに時間がかかりましたが。 とはいえ、何気に、「正統性」というものの怪しさが、頭の隅を掠っていく物語でもありました。

Posted by ブクログ

2022/06/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私にとっては久しぶりに引き込まれる小説だった。587頁という頁数に怯んでいたけれど、ぐいぐい読んで、この週末に後半を一気読みして読了。楽しかった。読み終わってしまって寂しい。 天皇機関説やら政治的な動きをする人々の説明、数学の知識等など、難しくて読み飛ばしたくなる箇所もあったけど... 実は、図書館で予約しておいて借りた本書。何故予約したのかを...最後までさっぱり思い出せないままだったので、途中で、ミステリーだったのか!と気づき、面白くなり難しそうなところも頑張って読めた。   着物の模様だとか着方やら髪型、古く馴染みのない言葉も多く出てきた。それはそれで新鮮だった。独鈷模様の博多織の帯、ルイーズ・ブルックスのような髪型とかとか、気になった物は調べたりして勉強にもなった。奥泉氏の美意識やそれに対する知識量を(ちょっと鼻につくよねと思いつつ)感じられて楽しかった。 主人公(?)惟佐子を初めとする女性達は、皆とても魅力的。映像化するとしたら、それぞれの役の女優さんは誰が良いだろう? ただ、他の方も書いておられるように惟佐子(やその兄姉)のご乱行エピソードは必要性あったのかな?とそこはちょっと残念。白雉家の血を引く・残すという本能の部分を強調したかった?結局、惟佐子に翻弄されちゃう殿方の間抜けな言動が披露されるだけで、惟佐子の心情やら言い訳(??)が表されることがなかったので、そこはやはり男性作家だからなのかなぁなどと、意図が読めず。欲や情に振り回される人々との対比が必要だったのかな。 しかしながら、情景や心情や人物を描写が美しいし、この人の文体がとにかく好きなので、残念な点(理解できない点)を上回る充実ぶり。好きな文を書き写し留めておきたいくらいだ。展開の速さも魅力だった。 普段は、視点(誰目線で書かれるか)が変わるのが苦手で、できれば1人の視点だけで読みたいのだけど、この人の文章は許せたし、面白かった。とある人物を主語として書き始まり、別の人物の動作で終わる文もあって、なかなか新鮮だった。(ビジネスシーンでこの文章を書いてくる人がいたら嫌だけど。)   これまで、奥泉光氏の本は読んだ事がなく、いとうせいこう氏と開催している文芸漫談で、にこにこと楽しそうに(時々皮肉っぽいことを言ったり)してたり、フルートを吹いているおじさまということしか知らなかった。 でも、その文芸漫談で醸し出す、なんとも言えないユーモアが、このともすれば堅いとも取られそうな文や、登場人物の言動に滲み出ていて、なんとも可笑しい場面が沢山あったし、登場人物に親しみを感じたりした。 ともかく奥泉さんの文章は好きだと思ったので、他の作品も読んでみたいし、最近再開したっぽい文芸漫談にもまた行きたい。 タイトルになった「雪の階」が登場するシーンは、とても美しい印象的な場面だった。タイトルはどのタイミングでつけたんだろう。奥泉氏に聞いてみたい。 そういえば、冒頭に出てきた華子さんはその後全く出てこなかった。ちょっと残念。 楽しかったので、ダラダラ書いてしまった...。

Posted by ブクログ

2022/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久慈中尉が本当はどう殺されたのかとか、説明されずに終わったことがちらほらあるのではと思ったが、いろいろなレビューで、あくまでミステリー風小説と言われていて、なるほどそれならまあいいか。 寿子は殺されるために出てきたみたいで内面の掘り下げというか惟左子と仲良い描写も多くなかったような。 惟左子はスペック盛りすぎ、あまり感情移入もできず。 そしてオチ、かなりの終盤になって霊視は伯父の刷り込みだったかも?は急に弱くないか? 白雉の血ばかり強調されたが父方の存在薄すぎないか? とはいえ引き込まれる展開、舞台である昭和の雰囲気、華族の家や暮らしぶりなど興味深かった。 千代子と蔵原と奈緒美の話が清涼剤。

Posted by ブクログ

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