日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう 「観戦力」が高まる本

斉藤健仁(著者)

• 販売会社／発売会社: 東邦出版
• 発売年月日: 2018/01/01
• JAN: 9784809415364

商品レビュー

2024/06/09

(2018/3/18)
日本代表、オールブラックス等の実際の試合のプレーを実例として、
どのような戦術がとられているかを分析、解説している良書。

試合のプレーの記憶がある私としては、
斉藤さんの解説を読みながら思いだし、
ああ、あのプレーにはこういう意味があったのか、
と理解できたが、
それ以外の戦術解説はもうついていけない。
ここが素人の悲しさ、なのか、斉藤さんが深すぎるのか。

選手はこうしたことを頭に入れながらプレーするし、
レフェリーはそれ以上にルールを熟知して、
実際のプレーで選手を裁いている。
凄いなあと思う。
セットプレーやブレイクダウンのオフサイドなど、
線もないのにどうして判断するのかと思うが、
この本を読めば、その時はなるほどねと思う。
すぐ忘れてしまうのだが。

後段はエディ・ジョーンズのコーチ術。
ワールドカップ最低勝率の日本代表を率いて最高勝率の南アフリカを撃破、
そのプロセスと試合当日の状況は、
何度読んでも感動する。
そして日本を去った後イングランドのHCとして、
2015地元開催のワールドカップでまさかのプール戦敗退をしたチームを、
一気に常勝チームに変革し、打倒オールブラックスの一番手に押し上げた手腕。
凄いと思う。
ワールドカップで勝つために何が必要かを細かくばらし、
それを一つ一つ実現する。

日本代表はフィットネスの強化とセットプレーの強化、
具体的にはラスト20分を「JPタイム」と称し、
セットプレーで90％以上の成功率を目標に鍛え上げた。
実際それがワールドカップで実現した。

・・・ジェイミージャパンにはそうした積み上げが見えない。
サンウルブズのセットプレーは、日本代表HOも務める堀江がほおって壊滅状態、
ラスト20分は得点が上がっているのは確かだが、
その前に試合が決まっていることが多く、参考にならないのが実態。

エディをあがめるのはよくないとは思うが、
もしかすると全員外国出身選手で固めそうなジェイミーより一枚上手なのはほぼ間違いなかろう。
エディには哲学がある。
ジェイミーは、同じオールブラックスのカーワンの二の舞になるのではと危惧する。
三洋を常勝集団にしたブラウニーがそばにいればと期待しているのだが、、、
あと一年半。まだ一年半？もう一年半、だ。

それにしても斉藤氏がちらちら使うキーワード、「日本代表を引退した選手が多く、、」
公式発表しているの？
唯一聴いているのはトンプソンルークだけなんだけどなあ。

気になる。小野、五郎丸、畠山、ツイ、、、