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悲素(下) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2018/01/27 |
JAN | 9784101188270 |
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悲素(下)
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商品レビュー
3.7
14件のお客様レビュー
真実は此処に在る…!
2021年8月読了。 この前に著者の『沙林』を読んで大いに心を動かされ(これはこれで必読!)、長らく積ん読状態だった本書を読んだ。 和歌山カレー事件は、オウム同様についこの前の出来事ぐらいの認識だったがもう20年か…。 先日加害者家族(=「林真須美死刑囚」の家族)のドキ...
2021年8月読了。 この前に著者の『沙林』を読んで大いに心を動かされ(これはこれで必読!)、長らく積ん読状態だった本書を読んだ。 和歌山カレー事件は、オウム同様についこの前の出来事ぐらいの認識だったがもう20年か…。 先日加害者家族(=「林真須美死刑囚」の家族)のドキュメンタリー番組を見たばかりであったのと、その直前には「(彼女の)長女が幼い娘と心中自殺」と云う報道も有った為、この事件の真実は何だったのかを改めて確かめたい思いも有った。 地下鉄サリン事件の方も凄まじかったが、こちらの方も何と凄惨な事件だった事か…、文中にも出てくる「ガヤガヤと騒々しいメディアやワイドショーの類の取材攻勢」ばかりが記憶に残っていたので、本書で綴られる詳細を読み、改めてこの事件の残酷さに言葉を失った。 上記の番組で、事件後あの家は放火され全焼したと知り、「そこまでしなくとも…」と云う気持ちも多少有ったのだが、事件の仔細を知るにつれ、誰が放火したのかは知らないが「(決して良い事ではないが)止むにやまれぬ気持ちが有ったのかもしれない」と、思い直す気に成った。 それにしても一審判決から最高裁まで、「物的証拠が確定」していたとは…。 「本人自供(無し)」にばかり拘るメディアに翻弄され、騙されていた様な気分にも正直成った。詳しくは本書を読んでいただきたい。 これでは再審請求など今後も通らないだろうし、刑の確定は必然と思うが、本人が真実を語らぬまま執行される日が来るのかと思うと、オウム事件同様やるせない気持ちにさせられる。 又、前著『沙林』同様、こんなにも毒物の検出や対策が困難であった事、更にこの主人公が居なかったらこの事件とてこんなに迅速且つ正確な捜査~公判には到らなかった事などを読むにつけ、改めて警察関係者の苦労と主人公の活躍に心から敬意を捧げたい。 日本国民であれば一度は読むべき貴重な労作だと強く推奨する。
左衛門佐
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
和歌山カレー事件の、ほぼノンフィクションのようなフィクション。 報道などで物的証拠、直接的証拠は無いが、圧倒的な状況証拠で判決を導いた、という印象を持っていた。素人からすると「そういうこともあるのかな」という感じではあるのだけれど、本書を読むと各種証拠から、犯人が囲い込まれ・浮かび上がってくるという状況はよくわかる。 もちろん「疑わしきは罰せず」点がある、という原則を裁判所が一種のプライドを持って守るのも、それはそれで納得ができる。(本書はそれを「誤謬」というけれど) もちろん、本書は追及サイドの資料をもとに描いたものだろうから、そこは差し引いて考える必要はあるのだけれど。 あと、「和歌山カレー事件」の本筋の話だけだと、本書の分量は半分にまとめることができそう。砒素の歴史の話。過去の毒物の話、オウム真理教の話、などなど。直接は関係しない、要素の解説が非常に豊富です。これを冗長と考えるか、重厚と考えるかは人それぞれな気がします。
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実際の事件の裏側。 毒物研究者として捜査に協力し、犯人の非道な行いに戦慄する。 カレー事件以前には、身近な人たちに多額の保険を掛け、それで裕福な生活を送っている。 実際の事件には冤罪も囁かれていると聞くが、とてもそんな風には思えないほどに周到というか、人の命を金に変えることに躊躇...
実際の事件の裏側。 毒物研究者として捜査に協力し、犯人の非道な行いに戦慄する。 カレー事件以前には、身近な人たちに多額の保険を掛け、それで裕福な生活を送っている。 実際の事件には冤罪も囁かれていると聞くが、とてもそんな風には思えないほどに周到というか、人の命を金に変えることに躊躇していない部分が多く窺える。 いずれにしても、恐ろしい人がいるものだと思わずにはいられない。 2022.7.5
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